考えすぎて何も見えなくなるなら
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甲板から空を見上げていると
後ろから声をかけられた

「おい、マルコ」

「なんだよい。サッチ」

「処刑も何も行われてねーから
アリアなら大丈夫だろ
もう中に入ろうぜ」

「・・・わかったよい」

サッチとのことやり取りも何回目だろうか

わかってる。
アリアを取り戻したら
聞きたいことも話したいことも沢山ある。

「エースは大丈夫かねい」

「まー大丈夫じゃねェから
あんだけ暴れてんだろうな」

アリアを海軍に捕えられてから
エースは遠征なら自分が行くと言い
出ていってしまっている
きっと鬱憤を晴らすのと
アリアの情報を集めているんだろう
今は帰ってきて自室で休んでいるはずだ

「・・・お前は恋敵の心配もして大変だな」

「弟の心配もするよい」

サッチはオレがアリアに
好意を抱いていことには
気がついていたらしい

「エースと話し合いでもすんのか?」

「今からちょっと話すよい」

ポンポンとオレの肩を叩き
サッチは自分の持ち場へと
戻っていった

エースの部屋の前に立ち
扉をノックすると
数秒してから返事が聞こえた

「入るよい
エース話があるんだが
ちょっといいか?」

「・・・おう」

寝転がっていたエースは起き上がり
ベットで胡座をかく
オレは椅子に座りエースと向き合った

「単刀直入に言うよい
オレもアリアが好きだ」

吃驚するかと思ったが
頭をポリポリと掻きながら溜息をつき
不貞腐れた顔でオレの顔を見る

「知ってる。
アリアがマルコを
気にしてるのもわかってる。
それでもオレはアリアが好きだし
諦めるつもりなんかねェよ」

「・・・アリアの気持ちなんかわからねェよい」

鈍いと思っていたエースが
気持ちに気がついていたことに多少驚いた

「今は知らねェけど
海軍に捕まる前日の時までは
好きだったはずだぜ。
それでもオレの昔の話を聞いて
アイツは受け入れてくれた。
そんな女を渡すわけねェ」

「エース、オレは別に
お前から奪うなんて思ってねェよい」

「別にアリアはオレのもんじゃねェ。
それにマルコがそんな真似するような奴なら
とっくの昔にとられてる。」

「エース・・・」

真面目な顔からいつものように
にししししと笑い

「アリアは渡さねェ。
オレも本気だからマルコも
本気出せよ!」

「・・・あァ。オレも頑張るよい」

エースに対して少し後ろめたい気持ちがあった
それをわかっているのか
明るく振る舞うエースに救われた気がした

「とりあえず、親父には助けにいくのは
止められてるけど
アリアの情報集めくらいしてもいいよな」

「それぐらいいいだろい。
それに親父も調べてるみてェだよい」

「親父もなんだかんだアリアが好きだな
親父がライバルなんて力じゃ勝てる気しねェー」

「オレもだよい」

そんな話をしながら笑い合った



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