交わされる契約
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「鷹の目、何か用か?」

「貴様に用などない
用があるのはその女だ」

「残念ながらコイツはおれが預かるんだ。
テメェにはやらねェ」

「あの、ちょっと」

ピンクのモフモフの
コートから必死に顔を出して
話に入ろうとすると
男2人の顔がこちらを向く

2人とも威圧感があって恐縮してしまうが
このまま勝手に話が進んでしまうのも
嫌なので話に割って入る

「鷹の目さんとは明日お話します。
今日はドフラミンゴさんとお話があるので・・・」

「・・・ならば明日迎えに来よう」

「フッフッフ
振られちまったなァ」

ドフラミンゴさんの言葉を無視して
背を向けて去っていく鷹の目さんを
目で追っているとそれを遮る様に
視界にはピンクが広がる

「ちょ、何も見えません!」

「フッフッフ」

そのまま抱えられて連れてこられたのは
何もかもが大きい部屋
きっとドフラミンゴさんの部屋だろう。
親父さまも大きいが
船から離れるとこの世界の人は
やはり大きいと実感する。

ソファに座り何故かドフラミンゴさんの
膝の間に座らされていて
髪を撫でられながら
フッフッフと笑うドフラミンゴさんは
何を考えているのかわからない。

「あの、あたしは
ドフラミンゴさんと一緒にいて何か
得はあるんですか?」

「フッフッフ
自由を与えてやる」

「自由・・・?」

「あァ。
好きなときに好きな事が
できるようにしてやるよ」

「・・・それで、貴方のメリットは?」

メリットがないのにあたしを
傍に置こうなんて思わないはずだ

「メリット?そうだな...
おれは不思議な女を傍に置ける」

「・・・変な人」

またニヤリと笑いあたしの頭を撫でた
メリットらしいメリットなど思いつかない
それなのに傍に置きたいなんておかしな人だ

「それにおれといたらお前は
白ひげの連中に会えるかもしれない」

耳元で聞こえた言葉に振り返る

「本当に・・・?」

「あァ、お前がいい子にしていたらな」


親父さまに会える嬉しい言葉に
動揺している自分がいる
早くエースに会わなきゃ
きっと心配してくれているはずだと
考えているのに頭に浮かぶ顔は
マルコさんで胸が締め付けられるように
ギュッとなった


「どうだ?おれと来るか?」

ドフラミンゴさんが本当に
親父さま達に会わしてくれるなんて
保証はないけれど
何もしないでここにいるよりは
いいのかもしれない


真っ直ぐにドフラミンゴさんを見すえて
首を縦に振った


「フッフッフ契約完了だな」

その言葉にぞくりと背中が冷たくなった
それでももう、後には引けずに
ドフラミンゴさんを見つめるしかなかった

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