ただ過ぎる時間の中で
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「ドフラミンゴ!!」

センゴクさんの怒った声に驚き
振り向くと机を挟んだ反対側で
あたしを見て
ワナワナと震えている

お鶴さんも頭を押さえて
深いため息をついていた


おつるさんが言っていた
やっかいな奴っていうのは
この人の事なのかも知れないと
その時初めて思った

「フフ、何怒ってんだ?
この女が暇そうだから連れてきただけだ。
・・・それとも何か特別な女なのか?」

センゴクさんはその言葉にこの場で
これ以上言えないのだろう
苦虫を噛み潰したような顔で口をつぐむ

何を話しているかわからない状況の中
ドフラミンゴさんの膝の上で大人しくしていると
時折猫にするように顎下をくすぐられた
それがこそばゆくて身をよじると
楽しそうにニヤリと笑っている


やっと会議が終わると
ゾロゾロと人が出ていく中
おつるさんが近付いてくる

「ドフラミンゴ、その子を返しな」

「フッフッフ!!
それはできねェ相談だな
オレはコイツが気に入ったんだ」

「その娘、毛色が違うな。
何者だ?」

横にいた男が会話に交ざってくると
おつるさんはより一層深いため息をついた

「アンタまで興味持たなくていい」

「フフ、鷹の目コイツはおれが貰う
気に入ってもやらねェぞ」

ずっと鋭い目で見られていると
少し怖くなりドフラミンゴさんの
上着でかおを隠すとおつるさんは
優しく話しかけてくれた

「アリア、部屋に戻るよ
降りといで」

その言葉にドフラミンゴさんの膝から
降りようとするが
きつく抱きしめられ
身動きが取れなくなった

「コイツは白ひげの所に
いたらしいじゃねェか」

どこでそんな情報を仕入れてくるのか
センゴクさんもおつるさんも目を見開いた

「・・・その情報はどこからだ?」

「そいつは言えねェな」

地を這うような低い声に
空気がビリビリとするような感覚に陥るが
ドフラミンゴさんは気にすることもなく
余裕の表情で答える

「・・・なんだと?」

「おれにくれたら
おれが傍に置いて見張りもしてやるよ
それならお前達海軍の負担も減るだろうが
フッフッフ!
コイツが別の世界から来た奴なのは知ってるぜ」

その言葉に鷹の目と呼ばれる男が目を細めた

「貴様!」

「フッフッフ!
あまり声にだしたらまずいのか
アリアに決めさせりゃいいじゃねェか
もう少し滞在しなきゃ行けねェんだ
その間はオレが借りるぞ」

有無を言わさずにあたしを抱きかかえて
この部屋の出口へと向うと
後ろから鷹の目と呼ばれる男もついてきてた


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