77
::


「っつ、」

虫に皮膚を噛まれるような痛み
耐えられる痛みではあるが
額には汗が浮かぶ

あたしを入れずに話を進められ
鎖骨と胸の間に彫られたのは
Eustass“Captain”Kidの文字と
キッド海賊団のシンボル

左の足の付け根に近い太股の内側には
Eustass・Kidの文字が彫られていく

「はい!終わりよ。
よく頑張ったわね!」

タオルで額の汗を拭ってくれた

そして自分の作品を眺めるミリヤが
少し驚いた顔をする

「アリアちゃんて能力者?」

ここで答えていいのかわからず
キッドを見ると頷いた

「そう、です」

「やっぱり!治りが早いもの!
タトゥーを彫ると普通は赤くなって
ケアが必要なのにもう赤みが引いているし
瘡蓋が出来てきてるわ。
痛みはない?」

「痛くないです」

彫られている時は痛かったが今は痛みはない

「そう!それでも念のために
保湿クリームを渡しとくわね。
2週間くらいはこれを塗っておいてね」

「ありがとうございます」

保湿クリームの入った瓶を受け取る

「帰るぞ」

来た時と同じようにシーツで巻かれ
キッドに抱えられる

「アリアちゃん〜キッドさん〜!またね!!」

お店の外まで見送ってくれる
ミリヤにぺこりと頭を下げた

彫られた場所はまだ熱を
持っているようだ

無言のままホテルへと帰り
ベッドの上へと下ろされる

シーツを取られ下着姿をじっと見下ろすキッド

「じっとしてろよ」

キッドはミリヤから
もらったクリームを手に取り
そっと太股につける

熱を持った箇所に塗られると
クリームはひんやりとしていた

「やっぱり傷の治りが早ェのか
どうりで俺が付けた痕もすぐ治るわけだな」

そんなこと自分では気づかなかった

「もう肌に馴染んでるな」

次は胸へと手を這わす

「んっ、」

「これでお前はどこにも逃げらんねェな
俺のモノだと誰でもわかる」

クリームを塗り終え
そのままベッドへと押し倒され
腕を頭の上で拘束されながら
口付けをされる

「胸のタトゥーは見せてもいいが
ココは誰にも見せるんじゃねェぞ」

ココと言って触るのは太股

「んぅ、わかって、るっ」

「クク、いい子だ」

そう言って離れていくキッド

部屋にノックの音が響いた


prev / next
[ back to top ]
top
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -