誰もいない
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「あらら、うずくまってたら
話が聞けないしべっぴんさんの
顔が見えないでしょうが」

あのままわけも分からず
何かの船に乗せられて
抵抗していると小部屋に
押し込められた

そしてクザンと名乗る大きな男の人が
部屋に入ってきて目の前にいる

何も出来ないのが悔しいのと
白ひげ海賊団から離された事の不安で
胸が押し潰されそうになり
唇を噛みながら膝に顔を埋める

「アリアちゃん〜おじさん困っちゃうよ」

頭をボリボリと掻きながらため息をつく
ルビーさんがあたしの名前も教えたのか

「表向きは一般人の救出って話になってるけど
アリアちゃんが別の世界から来たって情報があってね。
海軍で保護しようってなったわけ」

別の世界に反応しそうになるが
ここで反応したらこの人の思うつぼだ

首だけを横に振る

「嘘でも本当でもアリアちゃんは
とりあえず海軍本部に
連れて行かなきゃいけないから
・・・それにしてもいい匂いするね」

鼻をすするように匂いを嗅ぐ
この人も能力者なのかもしれない
発情期が終わったばかりで
良かったと少し安堵する

「まァいいや。
悪いけどこの部屋には
鍵かけるから飯は運ばすし
シャワーもトイレもあるし
問題ないでしょ。
本部までは3日くらいかな」

じゃあねと部屋を出ていき
鍵がかかる音がして
やっと顔をあげる

部屋を見渡し窓があるのを見つけ
開けてみようとするがやはり
開くわけがなかった

「・・・どうしよう」

ここは大人しくして
逃げる隙を見つける方がいいかとしれない

エースとマルコさんの姿を思い出し
着ているシャツをギュッと掴む

結局何もできず迷惑しかかけていない
親父さまの船から離れる事なんて
考えた事がなかった

海軍と海賊が仲が良い訳がないから
もしかしたら見限られたかもしれない
もし自分が強かったら
こんなあっさり捕まる事もなかったのに

1人になった事でポロポロと涙が出てくる
不安と緊張でどうにかなりそうだ




そこから3日間は
無理矢理飲まされるスープ以外は
なにも口にせずベッドで過ごした

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