囚われたのは
::


島に着いたと皆が騒ぐ声を聞きながら
あたしが準備をする姿をエースが
ベッドに寝転びながらみている

「なァーアリア〜オレと島回ろうぜ」

「だめ、ルビーさんと約束したの」

「じゃあ明日はオレと回ろうぜ」

「うん、約束ね」

ベッドから降りてきたエースに
顎を掬い上げられ唇にキスを落とされ
ぬるりと舌が入ってくる

「んっ、も、エー、ス」

「続きは夜な!」

にししししと笑う顔に思わず
一緒に微笑んでしまう
昨日の夜お互いの話をして
更に仲が深くなった気がする

「行こうぜ!」

エースに手を繋がれ
部屋を出ると運がいいのか悪いのか
マルコさんに出会ってしまう

あたしとエースが繋いでる手を見て
一瞬眉をひそめた

「・・・仲良しだねい、アリア今日は
エースと回るのかよい?」

「アリアはルビーと回るらしいぜ。
明日はオレだけど!」

「ルビー、ねェ・・・」

何かを考えるようにじっと見られる

マルコさんを見るとやはり
胸がざわざわと騒ぐ
それでもその気持ちに
蓋をしてずっと奥へと
しまい込んでしまいたい


「おはようございます。
今日は非番ですか?マルコさんも
楽しんでくださいね」

どこか他人行儀なあたしに
違和感を感じたのか眉間に皺を寄せる

「アリア、お前」

「エース!ルビーさん待たせるし
早く行こ!」

それ以上は何も言わせまいと
言葉を遮りペコリと頭を下げ
エースと手を繋いだまま横を通り抜けた

走って甲板につくとルビーさんはもう待っていた

「じゃぁな!」

「うん!」

エースに別れを告げルビーさんの元へ急ぐ


「すみません、お待たせして」

「大丈夫よ。いきましょ」

ツンツンとした雰囲気はなく
どこか楽しそうなルビーさん

船を降りると港からすでに
とても賑わっていいて
栄えている街があるのだとわかる

ルビーさんに連れられて
親父さまからもらったお小遣いで
服を買ったり、アイスを食べたりと楽しむ

「あら、前の店に忘れ物したわ。
ここで待っていてちょうだい。
すぐに取りに行ってくるわ。」

「あ、はい」

ルビーさんはとても優しく接してくれた
警戒していた自分が情けなくなる

しばらくするとドタドタと
走ってくる足音が聞こえた
何十人もの男達が目の前で止まる

「この娘じゃないか?」

「あァ!情報通りの容姿だ」

いきなりの出来事に吃驚して
その場を動けずにいると1人の男が

「我々は海軍だ
君を保護しにきた」

保護?何からなのか

「白ひげ海賊団に囚われていると
情報を得ている。
怖がらなくていい」

MARINと書いた帽子を被った男達を見上げる
にこりと微笑んでいるのに嫌な予感がする

「人違い、です」

震える声でやっと告げると
男達は顔を見合わせ首を振った

「大丈夫だ、怖がらないで」

伸びてくる手を払いのけるが
何十人に囲まれすぐに捕まる

「や、やだっ」

抱えられ恐怖で涙が浮かぶ
視界の隅にルビーさんを見つける

「ルビー、さんっ!!」

声を振り絞り叫ぶが
にんまりと笑い
背を向けて行ってしまう

嵌められた

目の前が真っ暗になるようだった
暴れてもびくともしない男達

「アリア!!!!」

呼ばれた方を見ると
涙で滲む視界に黒髪の青年が見えた

「おい!火拳のエースだ!
気をつけろ!!!」

炎が上がる中
その場から離れてしまう

「クソッ!人数が!!」

「エース!アリア探せよいっ!!
無闇に攻撃したらアリアにあたるよい!」

マルコさんの声もした
声を出せぬようにと口を塞がれ
その場から離れてしまう

やだ!やだ!

声を出したいのに
名前を呼びたいのに
離れていく


「んんっ!!!!」

聞こえる怒号
最後に見えたのは
焦るエースとマルコさんの姿だけ



prev / next
[ back to top ]
top
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -