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抱えられたまま歩くあたしを
街の人達は不思議そうに見えている
恥ずかしいがどうすことも出来ずに
出来るだけ街を見ないようにと俯く

周りなど気にする様子もなく歩き
ついたのは綺麗なホテルだった

見上げていると
「今日からここに泊まる」と
キッドの声に少し頷く

「・・・キッド」

「あ?」

「夜は皆で食事だからな
皆アリアの安否を心配していた」

「・・・あァ」

キラーを置いてホテルへと入っていく
不安になりキラーを見るが
肩をすくめて首を横に振るだけだった
ここにはあたしとキッドだけらしい

受付は済ませているのか受付を通り過ぎる
このホテルの一番上の階と上がり着いた部屋は
豪華な装飾品で高い部屋だとわかる

部屋に入ると
床へと落とされる

「っつ、」

キッドを見ると
冷たい目であたしを見ていた

「お前は攫われた挙句
その身体でトラファルガーの物を
咥えこんだのか?」

「ちが、」

「まァいい、来い」

来いと言われたのに
引っ張られるのは髪の毛で
少しでも痛くないようにとついていくと
キッドはソファーに座り
目の前に立たされる

「その服はどうした」

「もらい、ました」

「他の野郎にもらったもんを
身につけて帰ってくるとは
いい度胸してんなァ?」

「ごめんなさいっ、
あの、ねローはお医者様で、
あたしの怪我と検査を・・・」


ローは医者だ
検査で何もなかったと伝えれば
キッドも安心するかもしれない
なんて考えがなんて浅はかだったのか
すぐに思い知る

「ローだと?テメェ身体を見せたのか?」

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