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連れて来られたのは
船が沢山ある場所
ここがガレーラカンパニーらしい

「とりあえずここで茶でも飲むかの?」

通されたのは
待合室なのか大きなソファーが
置いてある部屋だった

ふるふると首をふると
カクと名乗った男が
残念そうにため息をついた

「お前は能力者か?」

聞いた事のない声に振り向くと
さっきまで鳩のハットリを通して
喋っていた男が自らの声で話かけてきた
目つきは鋭く威圧感があるルッチに
びくりと身体が強ばりながらも
消え入りそうな声で答える

「はい・・・」

「見た所一般人のようじゃが
お主な何故キッド海賊団におるんじゃ?」

「海賊から助けてもらって、」

「海賊に攫われただけか」

確かにそうかもしれないが
頷くのには抵抗があった
それは何故かわからないが
ささやかな抵抗

「うーむ、それならワシらが海軍に
渡してやってもいいが・・・」

「この女のことを
七武海のドフラミンゴも
探しているらしい」

一体どこから話を聞いていたのか
ルッチを見つめてみるが
冷たい目で蔑まれるように
見られているだけだった

「なんじゃ!お主は海賊に人気じゃな!」

ルッチとは反対に陽気に笑うカクが
この場の雰囲気を和ましてくれるが
唯一の助けだった

「で、お前はどうしたいんだ?」

「・・・キッドの所に帰して」

「お前もとんだ馬鹿だな」

「まーまー!ええじゃろう
害も無さそうじゃしな
お主の主人ももうすぐ
到着するはずじゃ」


すぐにノックの音が響く

「お連れしました」

入ってきたのは
キッドとキラーだった
あたしを見てキッドは顔を見て
目を開いた後にドカドカと
目の前にやってくる
この顔は怒っている

「ごめ、」

ごめんなさいと言う前に気がつけば
頬の痛みと身体を打つ痛み

「っ・・・」

数秒遅れて自分がキッドに
頬を叩かれたのだとわかる

「テメェ何してんだ?」

「ごめ、なさい」

「来い」

無理矢理腕を引っ張られ
立ち上がらされる
引っ張って連れていこうとする
キッドの腕をルッチが掴んだ

「あ?」

「今のはなんだっポー」

また鳩を通して喋るルッチ

「何がだ?」

「探してた女子なんじゃろ?
何故殴ったんじゃ
この子はハートの海賊団の奴に
攫われておった」

攫われたのは少し物騒な言い方だ
ベポは良かれと思ってあたしを
連れていったのだ

さっきの陽気な様子とはうってかわり
ルッチのように鋭い目つきで
キッドを睨んでいた

「コイツは俺のもんだ
テメェらには関係ねェだろうが
ハートの海賊ってとこの船長は
トラファルガーか・・・
たっぷり話聞かねェとなァ?」

あたしを見るキッドの目に
ぞくりとした

ルッチの掴む手を振りほどき
「キラー!」と言えば
キラーが机の上に札束をだした

「謝礼だ
受け取ってくれ
手間をかけさせてすまなかった」

キッドの代わりに
キラーがお礼をする


「お主はそれでいいんじゃな?」

もう一度あたしに問う
逃げるなら今が最後のチャンスかもしれない
それでも震える身体で小さく頷いた

それを見届けるとキッドはあたしを
抱きかかえ部屋をキラーと共に後にした




「アリアは海軍に渡さんで
本当にいいんじゃな?」

「害はなさそうだからな」

「ドフラミンゴには伝えるのか?」

「伝える義務も義理もない」

3人が去った部屋でルッチとカクは
ソファーに座りながら
アリアのことをおもう

「ワシが飼ってもいいんじゃがな」

「クク、惚れたのか?」

「な!違うに決まってるじゃうが!
それにしてもキッドとかいう奴は好かん!
抱きしめるのかと思ったら殴るとは
さすがに吃驚してもうた!」

「ふん、アレが奴の愛情表現というやつか
あの女も大変だな」

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