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ベポとつかの間の
穏やかな時間を過ごし夜も更ける

寝たベポを横目に窓に触れてみるが
やはり開ける事は出来なかった

窓から外を見ていると
白い鳩が部屋の中を覗くように
窓の淵へととまる

鳩は夜行性ではないはずなのに
奇妙な鳩がいるものだと思いながら
眺めていると目が合った

「クルッポー」

と羽をバタつかせている
自分も鳥になれば
この鳩の言っていることがわかるのではないかと
少し期待をして鳩の目の前で
鳥になってみるが
やはり鳩の言葉がわかるはずもなかった
少し驚いた様子の鳩は
パタパタとどこかに飛んで行ってしまった


「怖がらしてしまったかな・・・」

人の姿に戻りテーブルの上の水を飲をでから
ベッドに戻りベポに身を寄せ目を瞑った





翌朝目を覚ますと
隣にいたはずのベポはもういなくて
トラファルガーがソファーに座り
コーヒーを口にしていた

「クク、なかなか似合うじゃねェか」

「おはよ、うございます」

「あァ、朝飯だ食え」

ちょこんとトラファルガーの横に座る

「トラファルガーさん……」

「ローでいい」

「え?」

「ローと呼んでいい」

「?わかった」

「検査結果は特に以上はない」

「本当?!よかったー!」

異常がないことが嬉しく
テーブルのうえにあった
おにぎりを食べる

「お前本当にユースタス屋のとこに
戻るのか?」

「戻るよ!なんで?」

「暴力ふるわれるのにか」

「・・・ローに関係ないじゃん」

確かに暴力はふるわれるが
あたしが気に食わない事をしているのが悪い
痛いし辛いこともあるけど
ふと見せる優しさが気に入っているし
隣にいていいと言ってくれた

「お前のそれはストックホルム症候群だ」

「ストックホルム症候群?」

ククっと笑いながら顎を掬われる

「自分で調べろ。
・・・そういえば
ドフラミンゴはお前を探してるらしいぞ」

「え?」

その言葉に驚き目を見開く

「ドフラミンゴが女を探してるらしいと
噂がある。容姿もお前に当てはまるが・・・」

ドフラミンゴがあたしを探してる?
海賊に襲われ死んだと思ってるはずだ

「う、そ・・・」

「本当だ、俺が会わしてやろうか?」

その言葉に微かに首を振った

「・・・もうドフラミンゴの
とこには戻れない」

あたしはキッドに純潔も奪われ
もう、ドフラミンゴの元へは行けない

顎を持つ手に力が入る

「なら、無理矢理攫ってやろうか?
ユースタス屋みたいに
そしたら次は俺に従順になるだろ
痛めつけられるのが好きなら
痛めつけてやる」

口の端を少しあげ意地悪に笑う顔を睨む
顎を持たれているのも不快だが
力が強く振りほどくことができないのだ
ローが何をしたいのか
何を言っているのかわからない


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