正解と不正解の上で
::


声をした方を見ると
女性が立っていた


自分より背が高く
ナースではなくモデルのように
するりと伸びた手足

頭のてっぺんからつま先まで
気を使っているようで
とても綺麗な人だ

エースの部屋の前で出会った
ルビーさん

綺麗な赤い髪をクルクルと巻いていて
とてもいい匂いがした

「はい、終わりました」

カツカツとヒールを鳴らし目の前にくる

「ふぅん、あんたのせいでエースさんは
隊の仕事も出来ないし迷惑してんのよ?
エースさんだけじゃないわ
隊の皆も、よ」

「え……」

「あんたに1日中つきっきりで
仕事なんかできるわけないでしょ?
島への遠征も行けてないし
いい迷惑よね」

エースは優しい
だから何も言わないのかもしれない
俯き唇を噛む
何も知らない自分を恥じる

「すみません……」

「あら、あんた意外と素直なのね
皆に優しくされてるからって
つけ上がってると思ってた」

顎を指先ですくい上げ
まじまじと見られる

「次の島は私とまわらない?」

「え、」

「次の島には明日つくの
甲板で待ってるわね」


つい先程まで自分に敵意を
見せていたはずなのに
手のひらを返す
それでも誘ってくれたのだからと
「はい」と返事をした

じゃぁねと去っていく
ルビーさんを見つめていると
次に目に入ってきたのは
金髪で会いたいと思っていたのに
咄嗟柱の影へと隠れてしまう



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