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ジリジリと肌を焼くような殺気に
喉が渇き上手く話せない

「あ、たし最初は
ドフラミンゴのとこに行く予定で
良くしてもらってただけ」

「お前に悪魔の実を食べさせたのは誰だ?」

「ドフラミンゴ、だと思う・・・
でもこれは造ったやつで」


離れて座っていたのにいつの間にか
また押し倒されるようになっている

「良くしてもらった、じゃねェ
お前は実験体だ
人造悪魔の実を作ってるのは聞いていたが
食べた奴に会えるとは思わなかった
少しお前の身体を調べさせろ」

「や、キッドのとこに帰らなゃ」

トラファルガーを押とするが
ビクともしない

「用が済めばすぐに帰してやる
大人しく従っとけば早く帰れるぞ」

本当に帰してくれるのだろうか
それでも逃げる術を持たないあたしは
頷くしかなかった




「トラファルガーさん早く帰らないと
怒られるの。早く終わらしてね?」

頷いたあたしをソファーへと座らし
ペタペタと身体に触れ
目を見たり口の中を見たりと
本当に医者のようだ

血液を採るために注射をされた
針が皮膚に刺さる感じは
何度しても慣れない
刺された所からゾワゾワと
鳥肌が立つようだ

「髪の毛も」

返事をする前にプチっと1本抜かれ
次は棒の様なもので乱暴に
口の中をかき回される

「んっ」

「もう終わる」

もう終わるこの言葉で
緊張していた身体の力が抜ける
なんて言い訳しよう
頭に浮かぶのはこればかり

「終わりだ」

「帰る」

すぐさま帰ろとドアへ向かうが
腕を引っぱられソファーヘ戻される

「な、に」

「結果がまだだ
なんか異常があったら困るだろ?」

「でも、終わったら帰してくれるって」

「全てが終わったら、だ」


あたしから採取したものをしまい
部屋を出て行く

「ベポが帰ってきたら遊んでもらえ」

「・・・帰りたい」

「何も異常が無ければ
すぐ帰れる」

じゃあなと言い出て行ってしまった
かチャリと鍵が閉まる音

あたしは結局閉じ込められる
運命なのかもしれない

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