馬鹿な僕らは
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「んっエース、」

「く、はぁ、アリア締めすぎ」

エースの部屋に着くと
我慢の限界で服を脱ぎ捨て
互いを求め合う

もっともっとと強請る
フワフワとした思考の中でわかるのは
発情期の辛さを抑えてくれるこの行為だけ

「アリア少し落ち着いたか?」

汗で額に張り付いた髪の毛を分けてくれる

「ん、ありがと」

次はあたしがエースの髪を耳にかけてあげると
にししししと笑う
先程の情事中の顔とは違う
少年らしい笑い方だ

「この世界に来たなら
この体質もなくなればよかったのに」

「別にいいんじゃねーか?
そのおかげでオレはアリアとくっつけるし」

お互いの汗など気にしないで
無邪気にくっついてくるエースを
抱きしめ返す

「ふふ、もしあたしが男の子でも
相手してくれた?」

「あァアリアなら男でも
今と変わんねーよ」

あたしの体質に付き合ってくれる
エースには感謝しかない

「エース、ありがとう」

「なァ・・・オレが番になっちゃだめか?
そしたら他の奴らを寄せ付けないんだろ?」

「そんな事して彼女ができたら
どうするの?妨げにしかならない。
そんなのは嫌なの」

「ならアリアがオレと付き合えばいい!なっ!」

「エース、エースの優しさには
すごく感謝してるの。
劣ってると言われているΩの女より
もっとエースに相応しい人はきっといる」

「他の女なんかいらねーよ」

不貞腐れたエースの頭をヨシヨシとする
こんな時どちらが年上かわからなくなる

「・・・アリア休憩終わりでいいか?」

「わ、」

並んで寝ていたのに
エースが覆い被さる様に上にいる

降りてくる顔に目を閉じれば
唇が重なるそれはどんどん
熱いものに変わっていく




アリアの部屋に行ってみれば
返答がない

その代わりに隣のエースの部屋から
聞こえて来るのは甘い声

『運命の番』とは何なのか
番については親父に会ったときに
聞いた気がする

やはり発情期を抑えるのは
身体を交える行為らしい

本当は今すぐにでも
アリアに会いたい
家族とはいえ他の男に抱かれているのを
想像すると胸がザワザワとする

「なんだよい、この気持ちは」

正直女には苦労してこなかった
恋もそれなりにしてきたつもりだ
なのにこんなにも1人の女を
欲しいと思った事はない

他の女で欲を吐き出すのは簡単だが
何故だかそれもしたくない

「めんどくさいねい」

サッチに何か作らせて
エースの部屋にでも持っていかせよう

そんな事を考えて厨房へと向かった

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