一つや二つ欠落はあるか
::


なんとか服は着れたけど
疼く身体は止められない

バンっと開いたドア

「アリア!」

「エース、」

蹲るあたしの手を引っ張りあげる

「大丈夫か?!っ、発情期か?」

「エース、助け、て」

首に慣れた圧迫感
エースが首輪をつけてくれたらしい

泣きそうになりながら
エースの首に手を伸ばし
貪るようにキスをする

「アリア、ちょっとまて、部屋に行くから
我慢しろ」

優しく頭を撫で
お姫様抱っこで物置から出ると
何人かの人が集まっていた
物置に入ってこなかったのなら
βだろうか?
でも今はそんな事どうでもいい

人目も気にできずに
エースの頬にチュッチュッとキスをする

「親父には後で話に行くからって伝えてくれ!
あと、能力者は今アリアに近付くな!」

目の端にマルコさんが見えた気がした




いつまでも食堂に来ないアリア
胸がザワザワとする

飯を急いで食い
部屋に戻り念のために
アリアの首輪を引っ掴み部屋から出た

アリアの発情期に沢山嗅いだ匂いが
廊下に充満している

能力者じゃないやつは
なんかいい匂いがするな?
と呟いていた

匂いのする方に駆け出す
匂いが強くなった所には
もう何人か集まっていた

「チッ」

「あ、エースさん!この中から
すげェいい匂いするんだ!」

「オレが開ける」

この中にアリアがいる


「アリア!」

ドアを開けると案の定アリアがいた

大きな瞳には涙が溜まっていた

急いでアリアの首輪を付け
キスをせがむアリアを宥めながら
急いで部屋に戻った


本当はすぐにでも抱きたくなったが
他の奴に見せてたまるかと
なんとか理性を保ち部屋へと急いだ


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