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目が覚めると
まだそこにマルコ隊長はいて
温もりに頬が緩む

起こさないように
そっと起き上がろうとするが
しっかりと抱きしめられて
身動きがとれない

このまま二度寝をしたいと思ったが
エースさんの所にも行かなければと
思い直し

なんとか抜け出した
服を着替える
いつもの短パンとタンクトップ
やっぱりこれが落ち着く。
動きやすい。

寝ているマルコ隊長を自室に残し
お腹が空いたので食堂にいく

『サッチ隊長!おはようこざいます!』

「おぅ!アリア。おはよーさん!」

『あ。これ昨日のお土産です。』

そう言って手渡したのは
この島でしか手に入らないと言われた
調味料。たまたま市場で見つけたのだ
「おぉ!これ昨日探したのになかったんだよ!
さんきゅーな!」

『いえいえ〜。それじゃあ
パンケーキお願いします。』

「おうよ!」

いつもは決められたメニューだが
ちゃっかり朝食のリクエストをし
席につく。

「アリア〜体調大丈夫なのかー?」

眠たそうに目をこすりエースさんが
食堂に入ってきた

『おはようございます!
もう大丈夫です。昨日来てもらったのに
すみません。』

「それは全然いーんだけどよ!
あ!お前が読みたいって言ってた
本見つけたんだよ!
俺の部屋で読もうぜ。今日何もねーだろ?」

『あ!ほんとですかー?
行きます!』


「アリアお待たせー!
エースも朝飯だ!」
片手にパンケーキが乗った皿と
もう片手には朝ごはんの
オムライスが乗った皿を持った
サッチ隊長がくる

『わーい!』

「なんでアリアだけ違うんだよ!」

「可愛い妹にお願いされちゃーな」

じゃあなとまた厨房へ戻っていった

「1口くれよ!」

『いやでーす。エースさんの
1口は半分はなくなりますもん。』

いっぱいやって帰ります。

ガシッと手を掴まれた無理やり
食べられそうになるが必死で抵抗する

『やめてください!あげません!』
「少しぐれーいいだろ!食い意地はるな!」
『エースさんこそ!!』

ぐいっと更に強く引っ張られ
勢いよくエースの胸にぶつかる

『いったぁ〜!』
「いただき〜!」
そのまま
パンケーキを口に入れもぐもぐと口を動かし
ふと一瞬不思議そうな顔になる

『どうしました?』
「なんかアリアからマルコの
匂いしねーか?」
『え?気のせいじゃないですか?』

平然と言ってみるが
内心はドキドキと
心臓がうるさい

「そーか?」
ともっとくっついてこようとしたところで
思いっきりエースさんから引き剥がされた

「邪魔だよい」

「ってぇ!」
『お、おはようございます。』

間に割って入っきたのは
さっきまで一緒に寝ていた
マルコ隊長だった

「お前ら朝っぱらからうるせェよぃ」
少し不機嫌そうなマルコ隊長を
見ながらパンケーキを口に運ぶ

『不機嫌ですか?』
小さな声で聞いてみる

「アリアがいつの間に
かいなくなってるからねぃ」

ぼそっと返ってきた答えに
少し嬉しくなり口元が上がる

『ふふ、すみません。』

「何笑ってんだよぃ」

『なんだか可愛くて笑っちゃいました。』

うるせぃと頭をぐしゃぐしゃとされた

「アリアとマルコ!2人で内緒話かよ!」
俺もいれてくれ!とマルコ隊長の
向こう側でエースさんが喚く

「エースには関係ねェよぃ」

「ちぇっ!いいけど後で部屋でアリアに聞くし」

「エースの部屋に行くのよぃ?」
振り向くその顔は
眉間に皺をよせ
その口調は明らかに怒気を含んでいる

「は・・・はい・・・。
ちょっと本を読みに・・・」
口に含むパンケーキは
甘くて美味しいはずなのに
全く味がしない

「本?エースお前はそんな暇ないだろい?
たまってる報告書を片付けるのが先だよい」

「げっ忘れてた!アリアー手伝ってくれー!」

『はい!』

「アリアに手伝ってもらうなんざ
許さねェよぃ!てめェの仕事はてめェでやれ!」

わいわい言い争ってると

「マルコたいちょぉ!おはようございます!
昨日は途中で帰っちゃったんですから
今日も付き合ってくださいよぉ!」

昨日マルコ隊長と一緒にいたナースだ

「ナーシャまだ何かあんのかよぃ」

ナーシャと呼ばれたナースは
後ろからマルコ隊長の肩に手を回し
おぶさる形になる
主張しすぎている胸が
背中に当たっているだろう
それでも顔色を変えないマルコ隊長は
流石だと思う。
サッチ隊長なら鼻血ものだろう。

(ナーシャって名前なんだ)

「まだまだありますよぅ。
夜も一緒にお酒飲みましょお」

ずきりとまた胸が痛む
この場にいたくない

まだ2人はやりとりしているが
会話など入ってこないほど
自身の心臓がうるさい

「アリア!いこーぜ!」

ぐいっと肩を引かれ
ハッと我に返る

「うふふ!ほんとお2人は
仲良しですね。」

口元に手をやり笑う姿は
上品で女らしい


「アリアいくぞ!」
『あ!はい!』

「おい!待てよぃ!」

「2人の邪魔しちゃだめですよぅ。」
エースさんが立ち上がり空いた席に座り
逃さないとばかりに腕に絡みつく

「アリア。行くなよぃ」

手を掴まれ一瞬躊躇したが
隣に座って腕に絡まってるナースを見ると
その戸惑いもなくなる

手を振り払い

『私もお2人はお似合いだと思います。
やっぱり大人の男には大人の女性が似合いますね』

にこりと微笑みエースさんの後ろを追う

「やーん!お似合いって
言われちゃいましたよぉ」

甘ったるい声
マルコ隊長の顔は見なかった
きっと私はひどい顔だったと思う

胸が痛い



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