夜空の舞台に降るのは星屑か
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「アリア起きれるか?」

エースの優しい声が
すぐ近くで聞こえる

「ん、」

「今日はアリアのために
歓迎の宴することになったぞ!」

「うたげ・・・?」

窓を見るともう日も落ちている

「おう!いっぱい美味いもん食えるぞ!」

「起きる・・・あたし寝てた?」

「1時間くらい寝てた。
アリアが寝てる間に宴があるって
サッチが知らせに来てくれたんだ!」

「1時間も?!
すぐ用意するね!」

飛び上がるように起きて
シャワーを浴びにいく

シャワーを浴びていると
膣から出てくる精に
さっきまでの情事を
項に水がしみて
噛まれた事を思い出した

髪の毛を上げて鏡を見ると
血が滲む噛み傷
これぐらいなら傷も残らないだろう

これがもし発情期に噛まれていたら
エースと番になっていたのだろうか

ぞくりと背筋が冷たくなる

(嫌じゃないのに・・・)

マルコさんの顔が浮かぶ
ずっと傍にいてくれているエースより
マルコさんの顔が何故思い浮かぶのか
自分にすら分からない

シャワーからあがりタオルを巻くと
エースが衣類を全て用意してくれていた

「あんま露出しないやつなかったけど
今日これ着ていこうぜ!」

レースがついた黒の下着に
ピッタリとしたジーンズのパンツに
少しゆったりとしたTシャツ

「ありがとう」

「なー項痛ェか?」

着替えていると傷が見えたのか
少し心配そうなエースの声

「大丈夫だよ。
少ししみるくらい」

着替えが終わり
イゾウさんに貰った化粧品を見ていると
エースがくっついてくる

「発情期の時に噛みたい」

「番ってすっごいめんどくさいんだよ?
発情期の時にαが
寄ってくる事が無くなるけどさ。
恋人とかよりも重たい感じ。」

「俺にだけ発情してればいいだろ」

「もう!」

冗談でしょ!とエースを見ると
真面目な顔にドキリとした

「本気だからな!考えてくれよ?
それより、化粧なんかしなくていいだろ」

まだ少し煩い心臓
くっついているエースにバレないだろうか

「イゾウさんに化粧の仕方教えてもらったの!
だから上手くできるよ!」

「ちげーよ!
化粧してこれ以上可愛くなんのが嫌なんだ!」

「え」

「言わせんな!行くぞ!!」

エースに手を引っ張られ
化粧品を出したまま部屋から連れ出される

エースを見ると何故か耳まで赤い
今はあたしが珍しいから
番になりたいなんて言うのかもしれないし
どこまで本気かわからない

手を引かれたまま甲板に向かうと
もう宴が始まっていた

「アリアちゃーん!!」

「サッチ!」

「アリアちゃんのための宴だからな!
いっぱい食ってくれよ!」

サッチが抱きついてこようとするのを
エースがあたしを抱きしめ阻止して睨み合う

「オレにもアリアちゃんに抱きつかせろ!」

「嫌に決まってんだろ!菌が伝染る!」

「何のだよ!」

「も、エース苦しいっ」


「グララララ!バカ息子共
アリアをこっちに来させろ!」

大きな酒瓶を手に上機嫌な親父さまが
ニコニコとしていた

「げっ!親父も気に入ってたんだった」

「ん、エース行ってくる!」

エースの腕から抜け出し
親父さまに駆け寄っていった




「ププッエース!お前振られてやんの!
っ痛てェ!!!!」
サッチを1発殴り
親父がアリアを膝の上に乗せるのを見ていた

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