心臓はまだ震える
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「だっー!終わったー!」

やっと書き終えた報告書
投げ捨てた羽ペンを拾い上げ机に置く

途中で昼飯だ!とサッチが
軽食を置いていってくれたそれを食べたり
休憩をしながら終わらしたので
終わった今はもう夕方だった

「もう!投げない!」

「悪ぃ!なーご褒美くれよ」

「ご褒美って言われても・・・
あたし何も持ってないよ・・・?」

「アリアからのキス!
激しいの!」

「うー激しいってなに!」

「朝オレがしたようなヤツ」

ニヤリと笑うエース
今朝の事を思い出すと顔が熱い

(キスは挨拶キスは挨拶)

呪文の様に心の中で繰り返し
ほら!っと待っているエースの膝に
向かい合うように座る
立てばあたしよりも随分と背の高いエース
今みたいに膝の上に座らされると同じくらいになる
どれだけ足が長いのか

上半身に何も身につけていないエースの体は
自分が服を来ていても密着している気がする

唇に唇をくっつけ恐る恐る
舌を口の中に侵入させていく
ゆっくりとそれに応えるように
エースの舌が絡み合う

「ん、ぅも、いい??」

「無理だ」

がしりと後頭部を掴まれ
主導権はあっさりとエースに渡る

激しく口内を侵すエースの舌

「んっ」

スルスルと上ってくる右手は
服の中の膨らみに触れる

「ん、だめつ」

入ってくる手を静止させると
不満そうに唇を尖らす

「何でだ?」

「今発情期じゃないからしなくても
大丈夫だよ?」

「発情期じゃなきゃ抱かしてくれねェのか?
普段でも抱きてェ」

鍛えられたエースの腕は
あたしの力じゃビクともせず
フニフニと胸を揉み尖端を
キュッと摘む

「んんっ」

「ちょっとだけ触らしてくれ」

硬くなった棒が下半身にあたり
興奮しているのがわかる
発情期じゃないはずなのに
触ってほしいと思ってしまう

「報告書の提出は・・・?」

ギリギリの所で理性を保つ

「ん、あとで」

首筋にキスを落とすエース
少しくせっ毛の髪の毛がくすぐったい

「だめっ!仕事はきちんと!
きちんと仕事しない人は嫌い!」

その言葉にピクリと動きが止まる

「エース?
エースは仕事きちんとする人だよね?」

畳み掛けるように言葉を投げかける

「わかった」

しゅんとしたように項垂れるエースの髪を撫でる
柔らかい髪の毛はふわふわとしていて柔らかい

「じゃあ仕事全部終わったら
触っていいか?」

「・・・少しだけなら」

「よっしゃっ!」

エースの喜びようを見ていると
とんでもない約束をしてしまったんじゃないかと
少しの後悔

コンコン

少し控えめに鳴らされるノック

「なんだ?」

「エースさん少しいい?」

聞こえてきたのは女性の声
ナースさんだろうか

「マルコさんにはあたしが提出してきてあげる」

「おい、」

エースの膝から降りて机にあった書類を手に取り
部屋の扉を開けると扉の前にいたのは
やはりナース服を着ている女性

モデルのような長身に
豊満な胸をこれでもかというくらい強調していて
化粧もばっちりなその人は
ナース服を着ていなければ
ナースだなんてわからないだろう

「エースさんいるかしら?」

「あ、います。あたし出るので・・・」

品定めされるように下から上まで見られる
この目は何度も見てきた自分を蔑む目だった
心臓がドクドクと脈打つが
もう何度も味わっているこの感じには
耐性はできている

ペコリと頭を下げ
横を通り過ぎた

「ルビーかどうした?」

「少し話がしたいの」

後ろから聞こえる声を振り切り
マルコさんの部屋を目指す

あの女性はエースが好きなのかもしれない
それならあたしは邪魔な存在なのだろう



何人かに聞きながら
マルコさんの部屋にたどり着く

コンコンとノックをすれば
どうぞと声がした

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