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2人で横に並びながら
船へと向かう
もう日が昇ってきている

「眠たいー」

「眠る前に親父に報告だねい」

「え、何を?」

「付き合った報告だよい」

「わざわざ?」

「他の奴らへの牽制にもなるしねい」

「必要ないって!あたしのこと
女と思ってんのはマルコとイゾウぐらいだよ!」

「・・・イゾウねい」

何かを考えるようにつぶやく

あ、出しちゃいけない名前だったのか。
恋愛未経験者には何がなんだかわからない。

「とりあえず、報告だよい」

話が終わる頃にはモビーについていた

船に乗るとすぐに白ひげさんの部屋に向かう

「まだ朝早いよ!後でいいじゃん!」

マルコの服を引っ張りながら
止めようとするが止まるわけもなく
ズンズンと進んでいく

「早い方がいいだろい」

大きい扉の前でドンドンとノックをする

ひょっこりとナースが顔を出した

「・・・マルコ隊長ー朝からどう、あ!アリア!」

「おはよう。マルコが白ひげさんと
話たいんだって。起きてる?」

「うん!待ってね!」

中からアリアが来たよ!と
キャーキャー聞こえる

「・・・お前、俺より慕われてんじゃねェか?」

「ふふ、日頃の行いかな」

少ししてドアが開く

「親父、朝から悪いねい」

大きな椅子に座りこちらを見る

「赤髪の報告か?」

「アリアが俺たちの家族になる」

え?とマルコを見るが全くこちらを見ない

「グララララ!そりゃ本当か!」

ナース達もわーい!とはしゃいでいる

「俺の嫁にするよい」

その一言シンっと部屋が静まりかえる

「ちょ、マルコ!
付き合うとしか言ってない!!」

「俺は嫁にするつもりだ」

「はぁ?!」

「グララララ!
やっとくっついたのかお前ら!」

ナース達は未だに呆然としているが
白ひげさんは嬉しそうに笑う

「おい!宴の用意をしろと
息子共に伝えてこい!
昼からは宴だァ!」

「は、はい!」
ナースが急いで出ていった

「アリア!」
急に白ひげさんに名前を呼ばれ
驚いて見上げる

「お前ェはマルコが好きなか?」

「・・・好き」

大きな手が頭をぐしゃぐしゃと撫でる
それが照れくさくて俯いた

「じゃあいいじゃねェか!
歓迎するぞ!バカ娘!」

「・・・よろしく、お願いします。親父」

あたしの言葉に
グララララと上機嫌に笑う白ひげ・・・
親父の部屋を出てすぐにマルコの肩に
パンチを食らわす

「っなに!あれ!!!」

可笑しそうに肩を震わせて笑うマルコ

「周りから固めて・・・」

グイっと手を引かれ唇が触れ合う
一瞬の出来事だがあたしを大人しくするには
効果抜群だった

「逃げられなくするよい」

「〜っ!!女々しい!!」

「何とでも言えばいいよい」

そのまま肩に担がれる

「ちょっ、何!」

「昼までは部屋に籠るかねい」

「ばか!」

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