46
::


目が覚めると
船特有の浮遊感

シーツを巻き窓の外を見ると
やはりもう出航したいた

いつの間にか外されている
首輪はベッドの横の机に置いてあった


お腹が空いたとは思うが
この部屋から出られない
食事は全てキッド頼みだ

コンコンと軽いノックの後に
鍵とドアが開く音

待っているとキラーが
お盆の上に食事を乗せ部屋に入ってきた

「アリア食事だ」

「ありがとう!
キラーも一緒に食べない?」

久しぶりのキラーとの会話に
少し胸が踊る

「すまないがアリアと
あまり長くいるとキッドが妬くから」

そう言って食事を机に置いてすぐに
出ていこうとする

「まって!」

急いでキラーの服を掴んだ

「この船の中がみたいのっ」

はぁとため息とともに
頭をぐりぐりと撫でられた

「キッドに頼んでみるから
少し待っていてくれるか?」

「う、うん!」

食事をしてまっていると
キッドが部屋へと入ってきた

「船の中が見たいんだってなァ?」

にやりと笑うその顔は
何か企んでいるようで
キラーが案内してくれるんじゃないかと
少し期待していたあたしは肩を落とす


「うん・・・」

「俺が見せてやるよ。
これ着ろ」

渡された服はワンピースだけで
ローブがないことは嬉しいが
下着すらなかった。

文句を言わずに受け取った服を着る
ゆったりとして肌触りがいい生地
レースがついているフワフワの白色のワンピース
高いものを買ってもらったんだなと
改めて思う。

ん?
あたしがキッドに抱かれているお金だっけ?
首を捻っていると
「早くしろ」とキッドの声

「座れ」

ソファーを指さす

言われた通りに座ると
キッドもソファーに座る
そして乱暴にあたしの足を持ち上げた

「きゃぁっ」

スカートがめくれそうになるのを
一生懸命押さえる

「中身なんざ毎日見てんだろ
何恥ずかしがってんだよ」

「そ、そういう問題じゃないのっ」

そっと何かを足にはかされた

「船を歩くには靴がいんだろ」

「えっ?」

見るとワンピースに似合う
白色のペタンコの靴

ワンピースと同じようにレースがついていて
可愛いデザインだ。

脚に靴がピッタリとおさまる

「ありがとうっ」

嬉しくなり飛び降りるように
ソファーから降りて
クルクルと回ってみる

歩きやすい靴だ

「行くぞ」

「うん!」


いつもは抱えられていたが
とことことキッドの後ろについて
初めて自分の足で部屋から出た



prev / next
[ back to top ]
top
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -