蝕むように
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何度も抱かれると
痛かった下腹部の痛みさえなくなり
ただただ快楽が押し寄せてくる

足りない
まだ足りないというように
お互いがお互いを獣の様に求めた

少し眠りヒートが落ち着くと
湧いてくるのは罪悪感

眠るエースの髪を撫でる

「ごめんなさい...」

涙が頬をつたう

あたしがヒートさえ来なければ
エースがあたしを抱くことはなかっただろう。

何度もごめんなさいと呟いた

項を噛もうとする行動も
αの様でもしかしたら
何人かはαがいるのだろうか?

「何泣いてんだ?」

んーと背伸びをしながら起き上がるエース

「どうした?」

そっと温かい指で涙を拭ってくれる

「エースがあたしを抱いたのは
あたしの、せいなの。ごめ、んなさい。」

誰かに涙を拭われたことなんてない
栓が外れたかのように次から次へと
涙が流れ出す

「おいおい!
泣くなよっ!俺は自分の意思で
お前を抱いたんだ!」

「っちがう!
本当にエースがαなら
あたしのせいなの・・・」


自分の髪の毛をわしゃわしゃと
掻き回しあ゛ー!!と大声を出す

その声に吃驚し涙が止まった

「今はもうそう思っとけ!
俺はアリアの世話係だからな!」

耳まで赤くし
あたしの頭を撫でる

「・・・そのうちにな」

「え?」

「なんでもねェ!
腹減ったか?なんか食堂から
もらってきてやるよ!」

これでも着とけと言い
食堂へと出かけていった

渡されたエースのシャツを
頭から被る

脱ぎ散らかし床に
落ちている服を集めていると
何やら騒がしい
その声がどんどんこの部屋に
近づいてきていた

「おい!マルコ!サッチ!やめろよ!」

「お前がいつまでも連れてこねェから
来てやったんだよい!」

「アリアちゃんちょっと見せろよ!
俺の料理食べさすんだろ!」

乱暴にドアが開き見えたのは
食事を持ったリーゼント頭の人と
変わった髪型の人はマルコさんだったと思う
そしてそれを押さえようとしている
エースの姿だった

「おいおい!エロい格好だな!」
ニヤニヤとしているリーゼント頭の人を
エースがグーで思いっきり殴っていた

「サッチでてけ!」
食事だけ奪って追い出そうとしていた
リーゼント頭の人はサッチというらしい

マルコさんを見ると
眉間に皺を寄せていた
マルコさんを見るとヒートがきた時みたいに
脈が早くなり体が熱くなる

「お前から花の匂いがするんだよい。
ありゃなんだい?」

「あ...の、ヒートが来たら
Ωから出ているフェロモンかもしれないです」

「じゃあさっきはヒートを起してたのかよい」

「そうです・・・」

「そいつァどうやって治めたんだい?」

「そ、れは...」

ここでエースに抱いてもらったなんて
発言をすればエースの立場が
危うくなるかもしれない

答えられずに黙っていると

「もーいいだろ!アリア疲れてんだ。
明日にしてくれよ」
とエースからの助け舟

「だけどお前よい・・・」

「アリアの事はオレに任されてんだ!
しばらくはこのままオレの部屋で生活させるし
落ち着くまで接触するな。
親父にはさっき了承をもらった」

親父とはさっきの大きい人の事だろう
その名前を出されると何も言えないのか
わかったよいと不満げに出ていく

ドアが閉まる直前に
サッチさんが手を
振ってくれたので軽く会釈をした

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