08
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「あー食った食った!」
『いやー美味しかったですねー!』

2人で大量の肉を食べ大満足だ。

『この後どーします?』
「買い物行くんだろ?」
『あれ。覚えててくれたんですか?』

なんだかんだ言って
約束を覚えてくれていることに
口元が緩む

市場はどこもかしこも
押し合うように人がいた

「ん」

目の前に手が出される

『え?』
「迷子なったら困るからな!」

『はーい!お兄ちゃん!』
と冗談っぽく言えば
ニシシと笑い合う

目の端に金髪がうつった
そちらを反射的に見れば
マルコ隊長がいた
こんな人混みでも目立つ髪型は
目に入る

『あ、マルコ隊長。』

そう呟くとエースもそちらを見る

「ホントだ。よく見つけたな!
なんか奢らせようぜ!」

そう嬉嬉として向おうとするが
横に昼間マルコ隊長の部屋にいたナースが
腕に絡まり楽しそうにしていた
マルコ隊長の顔は見えない

チクリと胸が痛む

『エースさんっ!ナースさん連れですよ!』
「関係ないだろ!」

そう言って繋いだ手をグングン引っ張られ
マルコのいる場所に向かう

何故だか
行きたくない
と心が叫ぶ

「おーい!マルコ!なんかおごってくれよー!」

「エース。うるせェよい。」

見たくなくて
小動物が巣穴から外界を
窺うようにエースの背に隠れみる

「おいアリア!お前からも
なんか頼めよ!」

「アリア?」

前に押し出され嫌でも2人を見てしまう

これでもかというほど肌をさらけ出し
マルコの腕に絡まっていた
そしてニコニコと笑っている

マルコを見上げると
仏頂面で見下ろされている

(デートの邪魔したから怒ってる。)

「アリア。珍しい格好してるんだねぃ。」
にこりと微笑むが笑っているように見えない

額に汗が浮かぶ
『たまには!いいかなーと思い・・・まして・・・』

「あら。アリアさん女の子みたいな格好して
似合ってるわ!ねぇ?マルコ隊長?」
さらに腕に絡まり胸を押し当てている

「あぁそうだねぃ」

嫌な思いが胸に湧く

握られてる手を引っ張り
『ね。エースさん
邪魔しちゃ悪いし行きましょ?
あたしあっち見に行きたいです!』

「お?行くか?
おごりはいいや!
じゃあな!マルコ!」

マルコ隊長が何かを言い出す前に
人混みに紛れる

チラリとナースを見やれば
勝ち誇ったように微笑んでいた





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