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青い鳥は目の前で人間の姿に戻る

イゾウに抱きついたままの
あたしを見て眉間に皺を寄せる

「何してんだよい」

「何怒ってんだ?
アリアが甘えてるだけだろ?」

そう答えるイゾウの声は愉しそうだ
ズカズカと歩き近づいてきたマルコに
腕をもたれイゾウから無理やり引き剥がされた

「ちょっ、と!!何?!」

腕を掴まれたまま睨まれる

「お前は昼間の話忘れたのかよい!」

その言葉にあたしの中の何かがブチッと音がした
マルコの手を払い除け

「・・・こっちの台詞なんだけど!」

「はァ?」

マルコに負けないくらい
眉間に皺を寄せて睨む

「カノンとはどういう関係?」

「・・・今関係ねェよい」

「あの感じだと昔の恋人でしょ?
どうせ、元ナースで手出したんでしょ?
そんなの腕に絡ませてといて
あたしに触らないでよ!
時間たってから探しにきて
今まで何してたの?
2人でいたんでしょ?」

「落ち着けよい」

一旦喋り出すと止められない
次から次へと口から言葉が出る

「はァ?じゃないし!
次から次へと女の影が出てきて
そんな人と付き合えると思う?!
丁度いいじゃない。カノンとより戻せば?
気づいてるでしょ?
あたしはイゾウと寝てるし。
お互い今まで割り切ってきたんだし。
もうやめよう」

息継ぎもせずに言い終える
イゾウの名前を出したからか
マルコからの殺気がすごい
それで怯むわけもっとだしてなく睨む

「はい。ストーップ。
お前ら殺し合いでもしたいのか?」

今まで黙っていたイゾウが
マルコとの間に割ってはいる

優しくあたしの肩を抱く

「っ!何してんだよい!」

「アリア、少し落ち着け。
マルコお前はどうせカノンを傷つけないように
言いくるめてきたんだろ?
それがアリアを傷つけてんだ。
さっさっと片付けてこい。」

「・・・わかったよい」

鳥の姿になりまたどこかに行ってしまった。

マルコがいなくなると
急に力が抜けへなへなと座り込む

「思ってたことは言えたのか?」

よしよしと頭を優しく撫でてくれる
その温もりに涙が出てきた

「う、ん。言いすぎたかもしれないけど...」

ボロボロと泣くあたしを優しく抱きしめてくれた

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