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「何ジロジロ見てんだ」

「べ、つに・・・」

あたしが何をみていたのか
わかったのだろう
キッドの口角が上がる

赤い痕を指さす

「上からお前が付けろ」

付け方はわかるだろ?と
腕を引っ張られ
浴槽に座ったキッドの
腕の中に閉じ込められた

そっとキッドの胸に手を置き
赤くなっている場所に口づけ吸い上げる

頑張ってはみたものの
少し色が濃くなっただけだった

「下手くそ。
こーやんだよ」

胸に吸いつかれピリっとした
痛みにピクリと反応してしまう

最後にべろりと舐められたそこは
赤黒くなっていた

「お前は吸う力がねェな」

さっさっと俺の頭でも洗えと
言われ慣れない手つきで
キッドの髪の毛と身体を洗う

「出るぞ」

「え?」

「あ?期待してたのか?」

ニヤニヤするキッド

「ちっちがう!
タオル持ってくる!」

何もしないのが初めてで
少し拍子抜け。
昼間もしたし
ほかの女ですましたしで
いらないのかもしれない。

タオルを渡し
あたしもタオルで身体ふく

「あたしの服は・・・?」

「この部屋にいる限りはいらねェだろ
必要な時は俺が用意する」

これ以上は何も言うなというように睨まれた

「今日はもう寝る」

飲み物を飲みすぐにベッドへ行くキッド
シーツをめくりあたしもスペースを作り
「来い」という。

少し迷ったがタオルを巻いたまま
キッドの隣へと潜り込む

「いらねェ」

巻いていたタオルは取られ
後ろから抱きしめられ
少しドキドキしながら
眠りについた

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