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「またお前はそんな格好しやがって・・・」

「いーじゃん。動きやすいし!
マルコはいつもと変わんないね」

「・・・とりあえずあそこの
飯屋にでも行こうかねい」

指をさしたのは
大衆食堂のようなお店

マルコは何か言いたいのか
あたしを見てから
はぁーと長いため息をついた

「なに?」

「なんでもないよい」

お店に入ると思っていたよりも
中は綺麗であたし達みたいな
海賊なんておらず
一般人ばかりだった

「綺麗な店だね」

「大人しくしてろよい」

「わかってるー!
店員さーん!ビール2人分くださいー!」

「ったくお前は!」

運ばれたビールを口にする
シュワシュワとした炭酸と
ビール特有の苦味が広がる

「あーおいし!
お風呂あがりは
ビールだね!」

いつの間にかマルコが頼んでくれた
ご飯をパクパクと食べる

「大事な話があるって言ってんだから
あんまり飲みすぎるなよい!」

「あ、うん!おっけおっけ!
店員さーん!ビールおかわり!」

「おい!」

マルコを軽く無視しながら
その後もビールを3杯ほど飲んだ

「あーお腹いっぱい!」

「そりゃよかったねい」

眉間に皺を寄せ腕を組みながら
あたしを見ていた

「で、話ってなに?」

少しの沈黙の後にマルコが声を出す

「・・・イゾウと関係切るつもりはあるのかよい」

「は?なんで?友達なのに?」

「ただの友達になるならいいよい。
身体の関係はやめろよい」

「・・・なんで」

「俺はお前が好きだよい」

好き?マルコが?

「初めての相手が自分だから
責任を感じてる。
そんな感じでしょ?
気にしないでいいってば」

「違うよい。
俺はお前を一人の女として
好きだって言ってんだよい。」

「・・・女なんかいっぱいいるじゃん」

「お前以外いらないよい」

心臓がドキドキと大きく鳴る
なんとなくは伝わってきていたが
初めて真面目に言われると
信じたくなってしまう

「お前をもう他の誰かに
抱かせるなんてさせねェよい」

バンっとテーブルに多めに代金を置き
あたしの手を引いてお店を出ていく

反論もせずについて言ってしまうのは
お酒のせいだ。この心臓の高鳴りも。

「親父達は夜にはこの島につく
それまで2人で篭ろうかねい」

「ちょ、ばか!
あたし何も返事してない!」

「ここまで黙って付いてきてるんだから
答えなんて決まってんだろい?」

マルコの手をキュッと握った

「それが答えなら
もう俺以外に抱かれるなよい」

マルコの気持ちは正直嬉しい。
このまま手を離して
マルコが女と一緒にいる所を見た時みたいに
後悔なんてしたくない。
マルコが好きなんだと思う。
それはずっと心の底に
しまい込んだ気持ち。

「あたしっ「アリア?マルコ・・・?」」

バッと咄嗟にマルコの手を離してしまった
声をした方を振り返ると
それはお風呂場で出会ったカノンだった。

「カノンか・・・?」

「マルコ!!」

持っていた荷物を全て地面に落とし
マルコに駆け寄り抱きついた
マルコもそのまま優しく抱きとめる

カノンの笑顔はとても綺麗なものだった


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