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目が覚めると
そこはフカフカのベッドの上

「・・・キッド?」

部屋の中は薄暗くなっている
きっと今はもう夜なのかもしれない
ベッドから降りると
何も身につけていない事に気がつく
身体に残っているのは
キッドがつけた痕だけ。

枕元にあった少し湿った
バスタオルを身体に巻き付け
ベッドから降りる

部屋の明かりをつけると
ソファーの前にある
テーブルには食事が置いてあった
そういえばお腹が空いたと思い
食事を口に運ぶ
冷えた食事は運ばれてから
時間が経っていることがわかるが
冷えていても美味しい。
あたしが目覚めるのが遅いと
わかっていたための配慮なのだろうか

あたしには丁度いい量

全て食べ終え
服を探したが
買ってもらった服は
下着さえもこの部屋にはなかった

仕方なくタオルのまま
歯を磨いたり就寝の準備をした

この街には3日しかいないと言っていた
という事は明日の朝にはこの街を出るのだろう

最後の夜だ
番をしているもの以外は
夜の街で遊んでいるのだろう

・・・キッドも。

なんだか起きているのも嫌で
ベッドへと入り枕に顔を埋めた
目をつぶっても寝れるはずもなく
そのままベッドへと入っていた


ガチャっと少し乱暴に
ドアが開く音がする

帰ってきたんだろう

そのままベッドへと来る気配がする

「起きろ
風呂入るぞ」

返事も待たずに
強引に手を引かれ
浴室へと連れていかれる
少しいつもと違う匂いが
キッドから香る

さっさっと服を脱ぎ
浴室へと入っていく

「遅せェ」

早くしろと浴室からの声に
慌ててバスタオルをとり
浴室へと入った

明るい浴室に少し目がチカチカした

キッドを見ると胸板に赤い痕が
一つ残っていた

それはあたしにキッドが
残すものと同じで
明らかにそういことをしてきたのだとわかる

何故だか少し胸がチクリとした気がした

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