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フードの隙間から見える赤く染まる視界

「逃がすわけねェだろォが」

腕を刺された男から
ナイフを引き抜き一気に首をかき切る
悲鳴と共に倒れる男
周りからも悲鳴が上がる

震える手でもう1人の男が銃を構え発砲する

「反発(リペル) 」

キッドの身体に当たる前に弾が止まり
発砲した男へと弾き返された

弾き返された弾は男の眉間へ当たる
言葉もないまま倒れた

「キッドやりすぎだ・・・アリアの前だぞ」

いつの間にか後ろに立っていたキラーの手で
目の前が暗くなる

「そいつに触るな」

グイッとキッドの腕の中へと引っ張られる
抱き上げられフードを取られた

目の前には返り血を浴びたキッドと
地面に横たわる男
もう息はないだろう

初めて見る人の死
さっきまで喋っていたのに
ピクリとも動かない。
血の臭いでこれが
現実なのだと思い知る。

「よく見とけよ。
お前に触れようとした奴はこうなる。
俺がこれから目の前で殺してやる。」

冷たく笑うキッド。
震える手でギュッとキッドの服を掴む

「そうだ。お前はただ俺から離れなければいい。」

冷たい笑みから満足そうな顔に変わる
乱暴にフードを被らされる

「キラー戻るぞ」

「・・・あァ。」

船に戻るまでの間
ギュッと目をつぶり
キッドのコートの中に
潜り込むように顔を隠した。



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