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キッドに抱えられ
船へと戻る前に女の人達が
たくさんいる通りを歩く

キッドにもキラーにも
女の人がまとわりつく

「寄ってかない?」

「安くするわよ」

女達に目もくれずに
建物へとたどり着く
古びて所々に亀裂がある。
いつ壊れてもおかしくなさそうな
雰囲気だった。

「キッドここだ。
アリアを外で待たさなければいけない。」

「わかってる」

この建物の中に何か欲しいものがあるのだろう

「アリア」

名前を呼ばれキッドを見上げる

「ここから動くなよ。
話しかけらても一切返すな。
すぐに戻る」

こくりと頷く
ゆっくりと降ろされたのは
建物の入口の階段。

「アリアすまないな」

キッドとキラーは
建物の中へと消えていった

摘んだ花を眺めていると
ふわっと頭が軽くなる

「うぉ
すげェ上玉だなァ!」
「こいつァ高く売れるはずだ」

目の前にはいつの間にか
下品な笑みを浮かべた2人組の男がいた

男達を無視し
フードを被り直す

「おいおい。お嬢ちゃん
無視してんじゃねェぞ」

掴まれた腕が痛くて
持っていた花を落としてしまう

「っ・・・!」

「おいおい。もしかして
喋れねェのかァ?」

ぐっと掴む力が強まる

「おら!来いよ!」

嫌だと抵抗しても男には敵わない
無理矢理引きずられ地面ですれた
膝が痛い

「おい・・・楽しそうなことしてんじゃねェか」

「ぐっあっ・・・!」

引きずられていて力がなくなった
掴んでいた手には
ナイフが突き刺さり
血が流れている

「お、まえは・・・!」

「やばいぞ!キャプテンキッドだ!!」

「キラーもいるぞ!に、逃げろ!!」

血が流れる手を押さえながら
逃げようとする2人

目の前が赤く染まっていくのを
ただ見ているだけしかできなかった



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