天使か悪魔か
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「マルコー!」
ノックもなしに勢いよく
部屋のドアが開かれる
末っ子のエースが
キラキラした顔で入ってきた

「朝からうるせェよい!」

「甲板になんかすっげぇいい匂いのする
女が気失ってんだよ!」

何を言っているのかと
眉間に皺を寄せる

「はァ?寝ぼけてんのかよい」

「いいから!早く来てくれよ!」

半信半疑のまま
甲板へ行くと甲板の一部に
人集りができていた


「おい!お前ら能力者かもしれねェから
触んじゃねェよい!!」

大声で怒鳴ると
触ろうとしていた何人かが
手を引っ込めた

「マルコ隊長!
気がついたらここにいたんです!」

口々に急に現れたと言う

女は衣服が破られた様に乱れ
首輪をつけていた

「天竜人の奴隷かよい・・・?」

海楼石かと思いそっと首輪に触れてみるが
ただの首輪のようだ

「とりあえずコイツは牢にいれるよい!」

女を抱き上げると
花の様な匂いが体を包み込むようだった
ドクドクと心臓が鳴る

この女を抱きたい

そんな事を考えた自分に驚き
手を離してしまった

「おい!マルコ!」

横にいたエースが
女を落ちる寸前でキャッチした

「あ・・・あァ、悪いねぃ」

エースが女を抱え直す

「コイツなんかすっげェいい匂いすんだ。
なんかムラムラするな!」

ニシシと笑うエース
その言葉の意味がわかっているのだろうか
無邪気そうに見えて
手が早いと噂の末っ子を睨む

「お前に渡すのは危険だよい。
俺が運ぶよい」

奪う様に女を抱き上げ
牢へと運び床に降ろした
本当はベットにでも寝かしてやりたいが
得体の知れない奴を
どこかの部屋に入れるわけにはいかない

ガチャリとしっかり鍵を閉めた

「コイツどうすんだ?」

「さァねぃ。とりあえずは
親父に報告だろうよい」

エースと共に
親父の部屋へと急いだ

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