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はしゃぐアリアを見ながら
連れてきてやって良かったという気持ちと
連れてきたくなかったという気持ちが
交代で出てくる。

宴が始まり
アリアを挟んで赤髪と一緒に飲む酒。

久しぶりだからか
ゴロゴロと赤髪の膝を枕に甘えるアリア。
赤髪もアリアに飯を
やったり酒をやったりと
ベタベタと甘やかす。

こいつら本当に何もないのかと
疑いたくなるぐらい
恋人同士のようだ。

「お頭達は昔からこんな感じだ」

ベンベックマンが
いつの間にか隣に来て酒をつぐ

「そう怖い顔をするな」

「・・・うるせェよい」

前から肉が渡される
ラッキールウが肉を食いながら
目の前に座る

「俺ァお頭がアリアに
手を出すんじゃねェかと
ヒヤヒヤしていたんだ」

豪快に笑う赤髪海賊団のメンバー

昔からあぁなのかと
もう1度目を向けると
いつの間にか寝ているアリア。
それを横抱きにし頭を撫でる赤髪。

「チッ」

勢いよく立ち上がり
赤髪の前に行きしゃがみこむ

「赤髪、重いだろい。俺が代わるよい。」

「これぐらい重くなんてねェさ。
気にするな。
まー酒でも飲め!!」

アリアを渡さない赤髪に
内心苛立ちながらも
酒を煽る

「・・・なァアリアが女になったのは
マルコ、お前の仕業か?」

ズンっとのしかかるような覇気
相変わらず凄い覇気だが
怯むわけにもいかない

「お頭ァ!宴の席だろォが!」

「全くこの人は・・・」

と騒ぐベックマンとルウ。

「あァ。俺が女にしたよい。
今日は白ひげの娘にもらいに
話をつけに来たようなもんだからねい。」

「アリアを娘に・・・だと?」

「・・・俺が嫁にもらうよい」

赤髪の眉間に更に皺がよる

「アリアも同意の上でか?」

「それは追々だねい。
アリアを狙ってるのは
俺だけじゃないからねぃ」

「マルコ・・・お前はアリアが
好きなか?」

「好きだよい。大切に想ってる。
じゃなかったらこんなとこまで
来るわけないだろい」

赤髪が下を向き
しばらく沈黙が続く
よく見ると赤髪の肩が揺れている

「だーっはっはっ!!
おい!お前等ァ!聞いたか!?
あの不死鳥のマルコが!」

急に顔を上げ笑いながら
大声で叫ぶ

シンと静まり返っていた
甲板の男達がいっせいに笑い出す

嵌められた
赤髪の野郎の演技に騙されたのだ

「お頭はこういう人なんだ。悪ぃな」

ポンと肩におかれるベックマンの手

「チッ!
わかったらさっさっと
アリアをよこせ!」

半ば無理やり赤髪の腕の中から
アリアを奪い取り
自分の腕の中に閉じ込める

「お前等ァ!アリアの
嫁入りだ!飲むぞォ!!」

赤髪の声にオォー!!と叫ぶ声

まだやるのかと呆れながら
その光景を眺めた

アリアがついに・・・
なんて泣く奴もいれば
良かったなァ!
と喜んでいるやつもいる

「アリアは寂しがり屋だから
泣かすなよ!
そん時は俺達がぶん殴りに行くからな!」
なんて陽気に笑う赤髪。

それは戦争になるよいなんて呟きながら
スヤスヤ眠るアリアを抱きしめた。

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