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13歳になったある日。

その日はいつもと違って
ボロボロの服を着せられていたのに
真っ白なワンピースを着せられ
足には高級そうな靴を履かされた。

そして言われたままに
飲み物を飲むと意識を失った

次に起きた時には
どこか知らない場所で
大きなベットの上にいた。
少し重たい体を起き上がらせ
辺りを見回す

高級そうな家具が並ぶ室内

「フッフッフッ起きたかァ?」

声のした方を見ると
ピンクの上着をきて
サングラスをかけた
大きな男がソファーに腰掛けていた

近付いてくる男に
思わず後ずさる

「おいおい逃げんなよ」

そう言うと何故か
自分の身体が男の元へと歩きだす
動きたくないと思っても体が動かない

「別に殺しゃしねェよ。
お前にはコレを食ってもらいたいだけだ」

そう言って男が目の前に
変な模様の果物を出す
本能が逆らってはいけないと
鐘を鳴らしている

「食べてくれるよなァ?」

震える体でこくりと頷く

いつの間にか自由に動かせるようになった手で
その果物を受け取り
シャリシャリと口にする

「ぅっ」

「不味くても全部食え」

口の中に苦味が広がりただただ不味い。
本当は今すぐにでも吐き出してしまいたい。
それでもなんとかすべて食べ終えた。

「ごほっごほっ」

「フッフッフッいい子だ」

大きな手が頭を撫でる

「っあ・・・」

ドクンドクンと心臓がうるさくなる
まるで体の中が燃えているかのように熱い

「ぅっあっ」

立っている事も不可能で
倒れ込み痛い心臓を押さえ呻く

男を見ると
ただニヤニヤとしているだけだった

「人間に戻れ」

苦しい
何を言っているのかわからない
あたしは人だ

声を出そうとするが
言葉の代わりに出るのは
鳥の鳴き声のようなもの

おかしいと手を見れば
そこには腕の代わりに
赤い翼がみえる

「戻れねェのか」

嫌だ
あたしは人だ
戻れ!戻れ!

体はまだ熱い
怖い熱い怖い

「フッフッよくできたなぁ」

もう1度腕に目を向けると
いつもの自分の腕に戻っていた

「はっぁっもど、れた・・・」

男が倒れているあたしを
抱き上げ膝へと乗せ
横抱きにする

「お前が食ったのは
造られた悪魔の実だ」

「あくまの・・・み?」

「トリトリの実だ。お前は鳥になれる。」

あぁだからさっき鳥になったのか
悪魔の実は食べたら海に嫌われるかわりに
不思議な力が手に入ると聞いたことがある


コンコンとノックの音が聞こえた

「若様。失礼します。
どうですか?」

入ってきたのは
緑色の髪の毛の
綺麗な女の人

「見ての通りだ」

「まぁ!」

嬉しそうに駆け寄ってきて
脈を測り体のあちこちを
ペタペタと触る

「細い事は検査をしないと
わかりませんが問題なさそうですね。
少しチクッとするわよ」

腕に針がさされ血液をとられる

まだ体に力が入らないのでされるがままだ

「フフッ結果はまたお知らせします」

軽い足取りで部屋を出て行った

「アリア」

あたしの名前を知っているのかと
びっくりにして男を見る

「俺はドンキホーテ・ドフラミンゴだ」

「ドフラミンゴ・・・さま?」

「フッフッフッドフラミンゴでいい」


それから三日間
体の検査をされ
鳥になる訓練や人に戻る訓練をさせられた
その三日間はずっとドフラミンゴと一緒で
何から何までお世話をされた。

「フッフッフッまた会いに行く」

三日目の夜寝る前に言われた言葉
何を言っているかわからなかったが
次の日起きた時には見慣れた場所にいた

帰ってきてから待遇がかわった
栄養のあるものを食べさてもらえ
服もボロボロのものではなくなった
勉強もさせられるようになった
何より暴力をふるわれることがなくなった。

そして半年に1回ドフラミンゴが
会いに来てくれた。

「フッフッフッ健康そうになったなァ」

そう言って頭を撫でられ
抱き上げられる
膝の上が定位置だった

「ドフラミンゴのおかげ・・ありがとう」

優しい手つきのはずなのに
時々怖く感じる
逆らってはいけないと
訴える本能に素直に従った。



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