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「何だ人造悪魔の実ってのは」

海賊船が停泊しているからか
外は静かで2人だけの空間の
この場所も必然的に静かになる
キッドの低い声が響く

「造られた悪魔の実?」

「んなこと聞いてじゃねェんだよ!」

苛立ちを含んだ声
腕を引っ張られ無理やり引き起こされ
睨みつけるその目をただ見つめるしかできない

「どこで誰が作ってるなんて知らない。
あたしは与えられただけ。」

「副作用ってのはなんだ?」

「それもわかんない。
ただ副作用はでてないって言われ。」

舌打ちをし「もういい」と腕を離された
ふと思い出した事を口にする

「あたしを買った人なら
何か知ってるとは思うけど・・・
実験のこと知ってるらしいし」

ベットに押し倒され
グッと顎を痛いくらいの力で掴まれた

「そいつァ誰だ?」

「王下七武海のドンキホーテ・ドフラミンゴ」

「・・・何で王下七武海がテメェを買うんだ」

「実験が上手くいったから?」

「ふん。まぁいい。テメェはもう俺のもんだ」

なァ?と同意を求めてくるのに
掴まれている顎が痛い
拒否権なんてないくせに。

「・・・うん」

静かな部屋にジャラリと鎖の擦れる音

そのまま鎖を引かれ荒々しく唇塞がれ
息をするのもままならないほど
深く深くキスをする

「んっはッぁ」

「テメェは俺だけを
見てりゃァいいんだ」

キッドの舌が耳をなめる
そのまま首筋を這い
ところどころにピリピリと
痛いみが走る

キッドの手はスカートの中へと
侵入し太股を触れるか触れないかの距離で
撫でられゾワゾワとする

「んっ」

太股の付け根のあたりで手を止め
ニヤリと笑った顔

「ココに俺のキッド海賊団の
シンボルでも彫るか?
そうすれば嫌でも誰のもんかわかるからな」

シンボルとは海賊旗のことだろう
解放された時にそんなものがあれば
普通の人生なんて送れるはずがない

「クク、それとも胸にするか?
俺の名前を首に彫るのもいいな」

笑っているが本気だろう

「やっ「テメェに拒否権なんて与えてねェだろうが。
何度も言わせるんじゃねェ!」やぁっ」

パンと渇いた音が響く
強くぶたれた頬の皮膚は
ぴりぴりと細かく震えるようだ
体が勝手にカタカタと震え
流したくもない涙が頬を伝う
離れたくても鎖をしっかりと
持たれているため逃げる事などできない

「俺から逃げれると思うなよ」

あたしの考えを見透かしたように
意地悪く笑う

「逃がしてやるつもりなんざねェがな」

ガブリと肩を噛まれる
今までも何度も同じ場所を噛まれ
治りそうになった場所から血がにじむ

「ひゃっぅッ」

「飯でも食いに連れてってやろォと
思ったがナシだ。
今日もいい声で鳴けよ」

狂気的な独占欲

キッドがなんであたしに
こんなに執着するのか
わからない。



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