05
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『エースさん近いですっ・・・』
「はぁ?別にいつも通りだろ?」

壁際に追い詰められ
そのまま壁に右手をつき
私の顔をのぞき込む。

確かにいつも
抱きついたり抱きつかれたりする
私達にとっては普通なのかもしれない
ただいつもは周りにも人がいて
こんな二人だけの空間にいることは
ほとんどないわけで。

顎を持ち上げられ強制的に
顔をエース隊長に向けられる

視線が絡む

身体を少しでも離そうと
厚い胸板を押してみるが
やはりびくともしない


「・・・何してんだよい」

額に青筋を立てたマルコ隊長が
いつの間にかドアを開けて立っていた

2人でギクリと
錆びた人形のように
ぎこちなく首を回す

「げっ!見つかっちまった!
マルコが見えたから隠れて遊んでたら
アリアの反応がいつもと違うから
問い詰めてたんだよ」

壁についてた右手と
顎に触れられていた手をはなして
頭の後ろで手を組む

「へぇ。どんなふうにだぃ?」

「なんか首とか耳に唇つけたら
顔を真っ赤にしてよー
おもしれぇけど今までは
笑い転げてだけだったのに」

ほぉーと私を見るマルコ隊長の顔が
怒っているように見える

「・・・そんなことよりハルタが
お前を探してたよぃ」

「やべ!忘れてた!
アリア!島ついたら甲板な!」
とだけ言い残し
急いで行ってしまった

倉庫に残されてしまい
沈黙が流れる

こちらを向いているであろう
チクチクと視線が刺さるが
見る勇気がもてない

「エースに首筋に
キスされて感じてたのかよぃ?」

『やっあの!』

「まぁそういう身体にしたのは
俺なんだけどねぃ」


そう言って腕を捕まれ
引き寄せられ顎をつかまれ
キスをされる
触れるようなキスから
深いモノへと変わる

『やっあっ』
「まさかエースに気付かれるとはねい」
息が苦しく涙目でにらみつければ

「そんな顔他の男に見せるなよい」

『もっ・・・なんですか!』

「さっきヤったばかりなのに
まだ足りなかったのかよい?」

『足りないとか足りてるとか
わからないです!!』

「女の顔は俺の前だけにしとけよい」

頭にポンと手を置かれ
倉庫をでていくマルコの後ろ姿を
見送るしかできなかった


ぽかんとしていたが
ハッと我に返る
『〜っ!!!女の顔って何!!
むかつくー!!』

その言葉とは裏腹に
頬が熱を持つのがわかった



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