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その物語は
怪物にされた王子様と
美しい町娘が
真実の愛で結ばれるお話。

「真実の愛？」

真実の愛で王子様は
人間の姿に戻る


「すぐ怒ったりするの
キッドみたい。
キッドも真実の愛を見つけたら
優しくなるのかな？」


情事中のキッドを思い出し
それはないかと小さく溜息をつく

キッドはきっと自分のモノを
触られたりするのが許せないのだろう

短気は治らないだろう。


ふと海楼石がついてない事を思い出し
鳥になってみる。


首につけられている首輪で
本当に飼われている鳥のようだ


人間に戻る
手だけ羽根になれるのか
試してみると難なく出来た。


「あたしの方が化物ね」

鏡の前で自分の姿を見て小さく笑う

赤い羽。
赤い髪のキッドと同じ色。
これが違う色ならキッドに
気に入られる事もなかったのかもしれない。

慣れない力を使い
少し疲れたあたしは
ベットで横になり目をつぶった。

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