32
::


ぼーっとするあたしの体を
壊れ物のように優しくタオルで拭く

乱暴に抱いたのは自分のくせに
もう限界に近い眠気が波のように押し寄せる

「マルコがわからない」

「何がだよい」

「マルコがどうしたいのか
どうなりたいのかわからない。
付き合うって言ってたくせにさー
他の女抱いたり。
断ったのあたしだけど。
正直ね…ショックだったし。
1人でお酒飲んで
気がついたらイゾウと・・・いたの」

お酒のせいか眠たいせいか
ポロポロと心の声が口から出ていく
こんな事言いたくないのに
今どんな顔をしてる?
瞼が自分の意思に反して閉じていった。




ショックだった?
俺が他の女を抱いて?
だから酔いつぶれてイゾウと寝たって?
その言葉に驚いてアリアを見るが
もう起きる気配はなかった

「言い逃げかよい」

アリアの髪の毛を触る

気になっていたイゾウとの
関係の始まりは聞けた
アリアの事だからズルズルと
優しいイゾウに流されてるのだろうか

女には冷たいイゾウが
アリアにだけはとても優しいのだ

「チッ」

今更ながら自分がしでかした事を後悔する
1回断られたぐらいで引いた事も
他の女を抱いてしまった事も


「厄介な男を夢中になさせたねぃ」


その台詞は自分に対してなのか
イゾウに対してなのか
マルコ自身もわからなかった

prev / next
[ back to top ]
top
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -