04
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急いで甲板に戻ると
すぐ名前を呼ばれた

「あ!!アリア!
お前どこいたんだよ!
探したぞ!!」

我らが二番隊隊長エースさんに声をかけられた

『す・・・すみません!』

がしりと肩を組まれ
ニシシと笑う

「まぁいいけどよ!
もうすぐ夏島につくぞ!
飯食いにいこーぜ!」

エースさんは
年上なのに犬みたいに
人懐こくてすぐに打ち解けられた
お兄ちゃんみたいな存在だ。

『いいですね!
私お肉食べたいです!!』

「おーおー
いっぱい食おうぜ!」

『あ。あと買い物も付き合って下さいよー?
前約束してましたよね!』

「あ〜。おう。
わかったわかった」

『あ!すごい適当!
絶対行く気ないですよね?!』


キャーキャーと逃げるエースさんを
追いかけ回せば
周りの船員達が
また始まったと笑う

エースとアリアが
じゃれ合うのは毎日の光景で
微笑ましいものだ

「ん?」
『うわっ!』

船の中を走りまわっていると
急に止まったエースの背中に
ドシンと激突する
勢い良くぶつかったが
びくともしない体

『な・・・なんで止まるんですかぁ・・・』

「しー!!
マルコがいる。
見つかるとうるせぇぞ!」

その名前にピクリと身体が反応する

じゃあ早く向こうに行きましょうと
ズボンを引っ張るが

口を抑えられ
後ろから抱きしめられる形になる
話が聞こえる近くの部屋に入った
その部屋は倉庫で少しほこりっぽかった

『んん!』
「静かにしろって!」

ナースとマルコ隊長が
喋ってる声が聞こえてきた

「はい。頼まれてたものです。」
この声はナース長のアリスさんだ。
カサリと紙袋がこすれる音がする
「悪いねい。」
「なくなるの早くない?
盛りすぎじゃない?」
「うるせいよぃ」
「うちの子達にも
使ってんじゃないでしょーね?」
「さぁねぃ」

ナース長ともなれば古株で
マルコに臆することもなく話す

何を渡してるんだろう?
そんな事を考えていると

首すじに
エースの鼻が当たった

「なんかお前甘い匂いするな・・・」
クンクンと犬みたいに首に顔を近づけば
髪の毛があたりこそばゆい

『んっ』

身体も口は抑えられたままで
身動きがとれず
されるがままだ

舌が首すじを這う

『んん!!!!』

「こそばいのか?」

縦に首を振れば
ニヤリと悪魔の様に笑った

音はたてずに首筋に
たくさん唇を落とされる

やめてくれと首を降りながら
涙目になれば

「おもしれぇー」と
耳まで噛まれる

今までもこんなことはあったが
一回女になってしまえば
愛撫のような行為に顔が赤くなる

「お前今までそんな反応じゃなかったよな?」

その言葉に身体が強ばる

「笑い転げてただけなのに
なんか反応が違うくねぇか?」

なぁ?と耳を甘噛みされれば
嫌でも反応してしまう

エースさんも女性との経験があるだろう
この反応が何かわかるかもしれない

・・・そうなったら軽蔑されて
しまうかもしれない
折角兄妹みたいな
心地よい関係が壊れてしまうかもしれない


そんな事を考えていると
やっと口から手を離される

「なぁってば」

『そ・・・そんなことないです!』

警戒しながらずりずりと後ずさる


「そうか?だって前まで
顔赤くなったりしてなかったぞ?」

『・・・暑いからですかね?
走ったあとですし・・・?』

「なんで疑問系なんだよ」

後ずさる私に
じりじり近づいてくる



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