H×H | ナノ


▼ 宵闇に融けて消えることが出来たなら

飛行船の独特の浮遊感に
揺られながら
横抱きにしてもらい
イルミの膝の上で
恨めしそうにイルミを見やる

「ヤりすぎ」

「何が?」

いつも通りの無表情で
あたしの髪の毛を触る

あの後半日は抱かれっぱなしで
終わったと思ったらすぐに出発

イルミに運んでもらうことになったのだ


「もっと手加減してよ」

「アラタが体力なさすぎ」

「絶対普通の人よりは
体力あるよ!」

「俺よりはないよね」

「イルミが異常なだけ!」

淡白そうなのに
絶倫なイルミに
毎度付き合うこっちの身にも
なってほしい

「アラタが魅力的なのが悪い」

おでこにキスを1つ

「・・・イルミはずるい」

イルミの首に手を回して
抱きつく

「あれ?またしたいの?」

「違う!!バカイルミ!」

たまに天然なイルミも好きだ


じゃれあっていると
テーブルの上にある
イルミの携帯が鳴り響いた

「なに?」

電話から聞こえてくる
ヒステリックに叫ぶ女性の声
何回か聞いたことがある
イルミの母の声だ


「ふーん。そう。
わかった」

「どうしたの?」

「キルが母さんとミル刺して
家出したんだって」

「えぇっ!!
昨日会った時は普通だったのに?!」

驚いてイルミを見ると
彼はやはりいつもの無表情

「俺も父さんもいないしチャンスだと
思ったんじゃない?」

「キルアくんに刺されたから
叫んでたんだ・・・」

「うん。喜んでた」

「えぇっ?」

「“あのコが立派に成長しててくれててうれしい”」

「ゾルディック家ってハードだね・・・」

「そう?ま。ハンター試験受けるみたいだから
様子見てこいってさ。
このまま家には帰らないで
アラタのとこから
試験に向かうよ」

「そっかーお兄ちゃんも大変だね」

よしよしと頭を撫でてやれば
ぎゅーっと抱きしめられた

「アラタ抱きたい」

「え!なに?!今?!
だめだめ!家でね!!」

慌ててそう言うと
覚悟しててね
と耳元で囁かれた


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