H×H | ナノ


▼ 暗い暗い

日付が変わる頃に
帰ってきたイルミ

ベットから起き上がり
抱きつく

「おかえり」

「寝てていいのに」

ほのかに香る女物の香水

チクリと胸が痛い

顎を救われ顔をじっと見つめられ
冷たい指先が目元に触れる

「目元赤くなってるけど
泣いたの?」

「ちょっとテレビ見てたら泣いちゃっただけ」

小さな嘘

「そ。明日パドキアに帰るから」

「わかった!
先に寝とくから早く来てね」

「わかった」

シャワーを浴びに行く
イルミを見送り
部屋に戻る

胸に広がる不安は
イルミにあっても
消えることもなく
大きくなるばかりで
世界に独りぼっちな気分になる

お前は独りだ

クロロの言葉が頭に響く

イルミが女と仕事してるのは
薄々気がついてはいたが
どこか他人事だったのに
写真を見せられると
こうも現実味を帯びるのか


冷たいシーツに
独りくるまる

ズンズンと深い沼に
沈んでいくように
いつの間にか眠りについた







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