H×H | ナノ


▼ 君以外いらないのに

どれくらい時間がたったのか
短いかもしれないし長いかもしれない
本の内容など入ってこないから
読者はやめて人形を作ることにした
親指くらいの小さな人形なら
簡単に作れるようになったのだ

「アラタ」

「ん?終わったの?」

ドアから顔を出すイルミ

「うん」

作っていたものと
裁縫道具を片付け
イルミに抱きつく

話を聞きたくはないけれど
イルミはあたしのものだという
せめてもの抵抗。

あたしの気持ちをわかってるとは
思えないけど・・・

それでもイルミの体温を
感じると安心できる

イルミの服を掴んだまま
リビングに行くと
キルアはテレビを観ていた

「キルアはホテルもうとったの?」

「んーまだー」

「じゃあ3人で食べよ!
なんならここに泊まれば?
部屋余ってるし!!」

いい考えを思いついたと
ニコニコしていると
横から冷めた声がした

「は?アラタ何考えてるの?」

「え?いい考えだし節約になるでしょ?」

「キルもさっさと自分のホテル戻りなよ」

「イルミ!まだ決めてないって言ってるじゃん」

「キル。お兄ちゃんの言う事聞けるよね
早く帰りなよ。
アラタホテルなんてそこらへんにあるし
お金なんて気にしなくていいし
一緒に泊まるなんてだめ。」

「3人でトランプとかしたい!」

「だめ。早く寝ないと肌荒れるよ」

「・・・イルミも寝かしてくれないじゃん」

「俺はいいの。アラタも欲しがるでしょ」

「だー!!もう!帰るって!
兄貴の夜の話なんか聞きたくねーよ!」

ポカンとあたし達の話を聞いていた
キルアが我に返り叫ぶ

「え!ここにいなよ!」

「早く帰りなよ」

禍々しいオーラを放つイルミ
服を引っ張り止めるが
やめる気配はない

「兄貴こえーよ!また明日な!
迎えにくっから!」

逃げるように出ていってしまった

「イルミの意地悪・・・」

「アラタお仕置き」

「げっ」

今夜は徹夜コースらしい

とりあえずご飯を食べようと
ルームサービスを頼む

「覚悟して」

そう耳元で囁き
お風呂場に行ってしまった

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