H×H | ナノ


▼ どうでもいいものと僕の物

グラスのぶつかる音
ライターの音
客たちのおしゃべり、笑い声
ムード・ミュージックのすかした響きなどが
まじりあって作るざわめきの中
全てが俺にとってはどうでもいいもの

「ターゲットは今部屋に入って
お楽しみ中だよ」

「そう」

パーティーを楽しむフリをして
誰にも聞こえないように会話する
アラタの念能力は
下調べではわからないことも
わかるから便利だ

パーティーの主催者が
今日のターゲットだ。

ふと周りを見渡すと
チラチラとアラタを見る男達の視線

今日のドレスは身体のラインがわかる
ピッタリしたもので紺色の大人っぽいドレス
ドレスからはみ出さんばかりに
盛り上がった胸

「今度からはドレス俺が選ぶね」

「え?」

「さっさっと終わらせて帰ろ」

目を丸くするアラタ

その後に悪戯が成功した様に笑みを浮かべる

「ヤキモチ?」

腕に絡まり笑っている

「うるさい」

「あたしはイルミだけのモノ。
他の奴なんて興味ないよ」

この言葉だけで苛立ちが
消えてしまう自分は
アラタに関してはすごく
単純だと思う

「じゃ、さっさと殺してくる」

「はーい!」

「俺がいなくても
ほかのやつに話かけられないでね
じゃないと話しかけた奴殺すから」

「わかってる。早く帰ってきてね」

無茶な事を言ってるのはわかってる
それでも言うとおりにしてくれるアラタが
とても愛おしい。


アラタの額にキスをし
ターゲットの部屋に向かう


早く帰って
アラタを抱きたい

俺にとって
アラタ以外は
どうでもいいモノだ


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