▼ じんせいのどのぶぶんからはじめようか
もう何度も1日を繰り返し
何度も1年を繰り返す
だいぶ伸びた髪を
指先でいじる
クロロと過ごしてきた事で
1人でも生きていけるであろう術は
身につけた。
クロロは三日前からいない。
今日は見張りのシャルもいない。
『・・・出ていくなら今』
その三日前には
街でクロロと女が歩いてるのを
見かけた。
空っぽから抜け出したい
もらってきたお金を握りしめ
化粧品、最低必要限の服を
カバンに詰め込み
今までありがとうと
メモを残し出ていく
とりあえずは
大きな街なら
あたしを買う人もいるだろう
夜に溶け込むように
この檻から抜け出した
イルミに出会うまで
もう少し
prev / next