H×H | ナノ


▼ からだよりさきに

帰ってきたクロロは
微かにいつもと違う匂いがした

きっとあの女性なのだろう

一刻も早くクロロの視界から
逃れたくなり
自分の部屋へと戻る

電気もつけず
部屋についている
小さいベランダから
外を眺める

自分の身長からだと
柵の間からしか眺めることができないが
それでも満足だった

街がキラキラと輝く
電気をつけずにいたら
闇に吸い込まれそうだ
その闇にまぎれてしまいたいと
思うのは何故だろう

クロロが他の女性を抱いた

自分と付き合っているわけではないし
ここに置いてもらっているだけの関係だ
追い出されればいくあてなどない

他の女性と歩いていた
クロロのことを思い出すと
ココを出ていくべきじゃないのかと
いう考えが頭いっぱいに広がる

はぁと溜息をつく

「何故この部屋にいるんだ?」

すぐ後ろから声がした

びくりと体が強ばる

(怒ってる・・・?)

クロロの纏う空気が
いつもと違う
触れられていないのに
何かにまとわりつかれているような感覚
息すらしにくい

冷や汗がじっとりと肌にしみる


あたしを閉じ込めるように
後ろから手をベランダの柵につけ
耳元で囁かれる

「何故ここにいるか聞いてるんだ」

『ッ少し外の空気を吸いたくて』

「いつもの部屋でもベランダはあるが」

クロロの寝室にもベランダはあるが
1人になりたかったのだ

『・・・1人になりたかった』

纏わり付くナニカを
振り払うように呟く

「そうか」

しゅるりとネクタイを
解く音が聞こえたかと思えば
手首を捕まれベランダの柵に
クロロに背を向けた形で
ネクタイで固定される
自分の身長より少し高い柵に
縛られ万歳の状態になる

『やぁっ何っ!』

さっきの纏わり付く空気は
なくなり
クロロの愉快そうな声に変わった

「あまり大きな声を出すと
周りに聞こえるかもしれないぞ」

その言葉と共に
クロロの大きな手が
太腿を這う


触れるか触れないかの距離で
太腿を触られ
自分でもじわりと
パンツが湿るのがわかった

『こんな所でやだッ』

「外の空気が吸いたいんだろ?」

首筋に舌を這わせ
太腿から徐々に二つの手が上と登って来る

『ひゃっあ』

胸に到達した手が下着を上にずらし
突起をキツく摘む

「声が大きい」
声を出すなといわんばかりに
ギリギリとつまみあげ

『んんっ』
自分の腕に口を埋め
声を出さんとする

それを面白がるように
くつくつと笑いながら
一つの手を下にもどし
湿ったそこをさわる

「こんなに湿らしてるくせに
ここじゃ嫌なのか?」

下着越しにしか触れられず
ムズムズとする

それでも他の女性を
抱いたその日に
抱かれたくないと
心が叫ぶ


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