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▼ おめつけやく

朝クロロを見送って
二度寝してリビングにいくと
いつものように嘘臭い笑顔の
シャルナークがいた。

「おはよう」

『・・・おはよ』

「ねぇなんか俺への態度冷たくない?」

『あたしシャルみたいな
嘘臭い笑顔の男って嫌い』

「そうなの?女の子は
この顔好きなのに」

あたしの嫌味を気にすることもなく
珈琲を飲む

『クロロはいないよ』

「知ってる。クロロがアラタを見とけってさ」

『あたし子どもじゃない』

「俺から見たらまだまだお子様だよ」

イラっとしながら朝食を用意する

「今日の予定は?」

『・・・買い物にいく』

「そっ。じゃあ早く食べて用意しなよ」

『うるさいなーわかってるよ』

食べ物をパクパクと口の中に入れる

「てゆーかアラタって俺に冷たいよね」

『だってシャルが嫌いだもん』

「はいはい。ツンデレちゃんいつでも
デレてくれていいよ?」

『デレないし!!』

使っていたフォークを投げると
パシっと2本の指で止める

凡人にはできないことをするたびに
俺には敵わないよと言われているようで
虚しくなる
当たるわけないとわかっていても
攻撃をしてしまうのは
ささやかな抵抗。

食べ終えたものを片付け
自分の部屋で着替えをする
服はクロロが買ってきてくれるので
自分で買うことはほとんどない

今日はいつでもシャルに攻撃できるようにと
紺色のオールインワンにした

あとはペタンコのサンダルにするつもりだ


『シャル用意できた。いこ』

「ふーん。そんな格好もするんだ。
ワンピースとか着るかと思った」

『いつでも攻撃できるように
パンツタイプにしたの』

ニッコリと笑えば
呆れ気味に溜息をつかれた

「はいはい。とりあえず行くよ」



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