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「すごい!広い!きれい!」

男に連れてこられたのは
この辺でも有名なホテルの最上階
男は騒ぐあたしをただ見つめるだけだ

「とりあえず俺は仕事帰りだし
シャワーしてくるから適当に過ごしてて」

そう言ってバスルームに去っていく

「はーい」

ついては来たものの男の行動は読めない

やはり、体が目当てたのか
見返りがないならしない主義だが
このホテルに泊まるだけで相当な贅沢だ

窓辺にすわり夜景を眺める
ビルの灯が宝石みたいに輝いている見える
こんな高い所から眺めるのは初めてだが
ずっと眺めてられるほどに夜景は好きだ
夜空も好きだが人が作り出した光も
悪いものではないと思っている

「夜景好きなの?」

急に話しかけられびくっと体が強ばった

気配もなく後ろに先ほどの男が立っている

「・・・怖いから気配消すのやめて、ほしい」

「癖。仕事柄ね。」

悪びれた様子もなく言う

何の仕事?と尋ねるより先に男が口を開く

「シャワー入ってくれば?」

そういえば昨日から入ってない

「お借りします。」

その申し出を素直に受け入れ
深々とお辞儀をし教えてもらったバスルームへと向かった



◇◇◇

「ひろい・・・」

何十人も入れるような広さがあるバスルーム

バスタブもプールのように広いのだ

髪の毛と身体もキレイにして
冷えた身体を温めるように
ゆっくりとバスタブへと体を沈めた

ゆっくりと浸かり体もすっかり温まり
体を綺麗にすると
身も心も洗われたように清々しい

体にタオルを巻きつけ
辺りを見渡すととあるのは
白いノースリーブのワンピース

見覚えのないそれを引っ掴み
バスルームから大声で呼びかける

「あの!あたしの服は??!」

大きい声で呼びかけると
ドアからひょいっと彼が顔を出す

「捨てたよ?
下着はないからとりあえずその服着といて」

「...ありがとう」

全く悪びれた様子がないことにため息を噛み殺したが
何を言っても通じないというのがわかった

「適当にご飯頼んだけど食べなよ」

豪華なご飯がテーブルの上に並んでいた

「美味しそー!!!
2日ぶりのご飯!」

「ふーん」

この二日間は泊めてもらってただけで
お金とかもらってなかったから
ご飯にありつけていなかった
ご飯はすごくありがたいものだった

「いただきまーす!」

久しぶりの食事、しかも豪勢な食事で
口の中は唾液でいっぱいになった

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