H×H | ナノ


▼ めがさめる

目を覚ますと
頭に触られてる感覚と
男の人の声がした

質問に答えると
どこかへ行ってしまったらしい

雨が降っていないということは
室内だろう。

濡れた服が身体に張り付き気持ちが悪い

何故か目隠しをされ
手を椅子にくくりつけられているらしい

カチャリと扉が開く音がした

身体の横で人の気配を感じる

スルリと目隠しを外され
急に明るくなった目の前

目が慣れると
男の人の姿が目に入った

髪をおろしおでこに包帯を巻いている

整った顔立ち

意識を手放す前に見えた青年だった

「手荒な真似をしてすまなかった
俺はクロロだ。クロロと呼んでくれ」

ニコリと微笑みながらロープも外される

その甘い笑顔はいろんな女性を虜にするだろう


しかし探られているような視線
怖くて直視することができず
自分の手を見るしかなかった

『た・・・助けて頂いてありがとうございます・・・』

下を向いたままお礼を伝える

すると優しい手つきで頭を撫でられた

「帰る場所がないんだろう?
しばらくここに済むといい。
寒いだろうとりあえずシャワーでも
浴びてくるといい」

優しい声と優しい手にびっくりして
見上げるとまたニコリと微笑んだ

さっきのような探られている
視線は感じなかった

『・・・ありがとうごさいます。』

お風呂場に案内され
着替えはあとで置いとくからと
クロロは出ていった


浴室にはいり
頭から温かいシャワーを浴びる
冷えた身体が温まっていく

そこでやっとホッと一息つくことができた。

『ここにいていいって言われたけど・・・
お金とかいいのかな。』

本当に何も持っていない
身分を証明するものも
何もないのだ


シャンプー、コンディショナーをし
身体を洗っていく

泥だらけだった身体は2回ほど洗った
茶色かった肌が元の白さに戻る


(あたし自身もキレイになっていけばいいのに)


流されていく泡を見ながら
大嫌いな家を思い出した




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