▼ 帯びた熱
クロロに抱かれる日々
抵抗もせずに受け入れている
「従順になったじゃないか。」
「あっ、ぅ」
後ろから獣の交わりのように
激しく突き上げられ息が苦しい
「アラタ、明日はでかい仕事がある。
たっぷりお前を味わうとするよ。」
それじゃなくても執拗に
抱いてくるくせに、という言葉は飲み込んだ
防衛本能のように濡れる身体が恨めしい
もういっそ何も感じなくなればいいのに
「クロ、ロ・・・
もう無理・・・っ」
何度も絶頂を迎え疲れている身体は
声も掠れ悲鳴をあげている
「そうか。
だがお前は拒否する権利はない。」
優しく、甘く、残酷に囁く
◇◇◇◇◇
「ん・・・」
やっと終わった情事で疲れ果て眠り
どれだけ時間が経ったのか
やっと意識が浮上していく
「アラタ、久しぶり◆」
目を開けるとヒソカがベッドに座っている
「・・・ヒソカ」
本物のヒソカだ
冷たい手が頬を撫でる
「だいぶ大切に扱われてるね◇」
「そうね。」
揶揄を怒る気にもなれず受け入れる
「アラタ、今日の晩に
イルミが僕と入れ替わる。
そのままイルミと出ていきなよ◇」
「え・・・?」
「好き勝手に抱かれてる痛々しい君を
僕が救ってあげる◇」
「なんで、そんなことしてくれるの・・・?」
「生き生きしてる元気なアラタが
好きだからね◆今の君は生きてるのに
死んでるようだ◇
それまではゆっくりと休んで。」
瞼のうえに手を置かれると
魔法のように眠くなって
それ以上は何も聞けなかった
◇◇◇◇◇
眠ったアラタの頬にそっと触れる
体に残る痛々しいほどの痣
酷い抱き方をされてるのがわかる
アラタは加虐心を煽る気持ちは分かるが
それは自分がしたいだけで
他人にされてるのを見るのは不愉快だ
「元気になった君を抱きに行くよ◆」
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