H×H | ナノ


▼ 身勝手な

仕事に向かう車の中、シャルが運転を担う

「団長。
アラタに優しくしてる?」

「している。」

「見えないけど。
このままだと前の二の舞。
なんでアラタには不器用なんだろ?」

優しくしている。という言葉は無視をされ
シャルは話を進めていく

「他に女作って家に帰らなかったり
酷い抱き方したり。」

「お前も女の家を渡り歩いてるのは知ってるぞ。」

「俺は特定の女は作ってないよ。
話すり替えないでよ。
団長はアラタが好きなわけ?」

「さあな。
よくわからない。
ただ、そばに置いておきたいとは思う。」

「めんどくさいね。」

キラキラとした笑顔で
毒を吐くシャルナークを睨みつけた

◇◇◇◇◇

「アラタ、落ち着いたかい?」

「ん、ありがとう」

今はヒソカも濡れた服を脱ぎ
腕枕をして抱きしめくれている

「ねぇ、ヒソカはあたしの
記憶が無い部分を知ってるの?」

「少しだけね◇」

「あたしは誰と一緒にいたの?」

「・・・それはわからないね◆
でも今は気にしなくていい。」

優しく額と泣いて腫れた瞼にキスをしてくれる
それがくすぐったくてクスクスと笑ってしまう

「ヒソカは好きな人とかいないの?」

「アラタだよ◆」

サラリと言われて頭が言葉の意味を
理解するのが遅れた
顔が赤くなるのが自分でもわかる

「もう、そんな冗談いらないっ」

ヒソカの腕から抜け出そうと身をよじったが
逃がさないと言うようにさらに抱きしめられる

「アラタは今の方が
素直で可愛らしい。」

唇のすぐ横にチュッとキスをされた

「やっぱり、からかってる!」

クスクスと笑うヒソカを押し返すと
今度はするりと腕から抜け出すことができた

新しい服を探そうとベッドから降りる
ヒソカの視線を感じるが
裸を見られる事に抵抗はない

「アラター、ちょっといいか?」

ノックもなくフィンが扉を開けたが
裸のあたしを見て顔を真っ赤にして
勢いよく扉を閉めた

「す、すぐに服着ろ!馬鹿野郎!」

「はーい。」

クロロのシャツを身につけ扉を開けると
フィンは扉の前で不機嫌そうに仁王立ちしていた

「話ってなにー?」

「あー、なんてゆーか・・・」

部屋の中を見たフィンが目を見開く
視線を追うとベッドに
横たわるヒソカを見ていた

ヒソカはベッドの中から
手をヒラヒラと振っている

「テメェ、何してやがる。」

「何って、アラタを慰めていただけだよ◆」

「裸でかよ!?
いい加減にしろよ!」

ズカズカと部屋の中へ入り
真っ直ぐにヒソカの元へと向かう
旅団同士のマジ切れは禁止だ

「フィン!本当に何にもないってば!」

必死にしがみつき止めようとするが
引きずられるだけで止めれはしない

「アラタ、離せ!」

軽く押しただけだろうが
怒っているフィンは加減がわからない
壁際へと吹き飛ばされる

「きゃぁっ・・・」

壁に激突するのを覚悟したが
逆にグンっと引っ張られたような感覚がして
気がつけばヒソカの腕の中いた

「アラタっ、悪ぃ・・・!」

「だ、大丈夫・・・。
ヒソカありがと・・・」

「女の子に手を上げるなんて最低だね◇」

「お前にだけは言われたくねぇよ!」

ニヤニヤと笑うヒソカと
怖い顔で睨みつけるフィンの間に
挟まれて小さくため息をついた


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