▼ 不本意な再開
ヒソカと街のオープンカフェにいる
あたしは嫌で嫌で堪らないのに
隣のヒソカはニヤニヤと優雅に
コーヒーを飲んでいる
(うざい)
「何が目的なの?」
「アラタとお茶をしたいだけさ◇」
「帰りたい」
「たまには外に出ないと◆」
この男は何を考えてるのかわからない。
周りは色々な人たちが
楽しそうに過ごしているのに
この2人の空気はピリピリとしている
「イルミに怒られるよ」
「あぁ◇楽しみだね◆」
「絶対すぐ来るよ」
「今日は僕の依頼を受けてもらってるから
来たくても来れないさ◇」
イルミはヒソカからの仕事を受けているらしい
携帯も取り上げられているし
どうしようもできない
「ヒソカ」
声をかけられた
ついちょっと前まで聞いていた懐かしい声
びくりと身体が強ばる
「な…んで?」
「やぁ◆クロロ待ってたよ◇」
振り向けない心臓が痛む
「用はなんだ」
そう言って隣の席に座る
こちらをむいてるのがわかる
あたしは俯いたまま顔を上げることができない
「・・・アラタか?」
あぁ・・・もう最悪
顔をあげる
「久しぶり・・・クロロ」
とってつけたような笑顔をみせる
絶対に笑えていないだろう
白のシャツに黒のズボンとジャケット
額には白包帯が巻いてある
いつもの格好だ
「ヒソカ。アラタと知り合いだったのか?」
「知り合ったのは二ヶ月ほど前かな?◆」
「何故もっと早く言わなかった?」
「ごめんよ◇」
穏やかに談笑している様に見える
(クロロ。殺気がでてるよー。)
イライラしてるのがわかる。
ヒソカも分かっているのかすごく楽しそうだ
「2人で話がしたい。外してくれるか?」
「それはダメだよ◆
僕とでかけるって飼い主に言ってあるからね◇」
飼い主という言葉にクロロがぴくりと反応した
「飼い主だと...?どういう事だ。アラタ」
あぁ。怒ってる。
「クロロのとこから出て拾ってもらって
お世話になってるだけ。
って言うか。ヒソカ約束は?」
知らせないって言ったくせにと睨むと
「僕はクロロをお茶に誘っただけさ◆」
約束は破ってないだろうと笑う
(ペテン師め!)
イライラしてるとクロロが口を開いた
prev / next