H×H | ナノ


▼ 心さえなかったなら

少し後ずさるとすぐに隅へと追い詰められる

「クロロ、ヒソカが戻ってくるよ?」

「見せてやればいい。」

クロロは今、あたしを抱く気だ

素早くネクタイを外したクロロに
うつ伏せにされ後ろで手をしばられる

「クロロ、いや・・・」

「拒否権なんてない、わかっているだろ?」

服はちぎられるように脱がされ裸体を晒される
慣れている身体は気持ちとは反対に解されていく

「クロロはあたしを所有したいだけ・・・?」

ずっと思っていた事を口にしてしまう
薄々感じていた違和感
記憶がない間本当に恋人だったのだろうか

「それもあるだろうな。
それがなければここまで執着しない。」

「・・・離して、」

「離すわけないだろ?」

「ぁ、いやっ・・・あぁっ!」

濡れきっていない蜜口に雄を一気に押し込まれ
悲鳴を漏らさないようにシーツを噛む

「ひぅっ、んん・・・!」

「アラタ、俺はお前を
独占したいが愛してもいる。
俺から離れるなんて考えるな。」

愛していると言われたのに
その言葉に何も感じない
そして確信した
恋人だったなんて嘘だ、と

愛撫もなしに突き上げられたにも関わらず
ぐちゅぐちゅと水音がしている
しっかりと感じてしまっている体が憎らしい

涙が頬を伝いシーツを濡らす

「お盛んだねぇ◆」

軽い調子の声が聞こえ
クロロの動きが止まる

扉の方に視線を送ると
ヒソカが入ってきてパタンと扉を閉める

「そう思うなら空気を読んで出ていけばいい。」

「アラタ、泣いてるみたいだから
僕が慰めてあげないとね◇」

2人の顔は見えないが
不穏な空気は感じとれた
沈黙の後にクロロが言葉を紡ぐ

「好きにすればいい。
アラタは俺のものだということわ忘れるな。」

そして止めていた動きを開始する
ヒソカはソファに座り脚を組み
こちらを眺めていた

ヒソカにはしたない姿を見られたくなくて
シーツに顔を押し付けて声を押し殺そうとするが
それを許さないように髪の毛を引っ張られ
顔を上げさせられ嬌声が漏れる


◇◇◇◇◇

「大丈夫かい?◆」

クロロは情事が終わるとやはり
すぐに部屋を出ていってしまった

ベッドの上で力なく横たわるあたしに
ヒソカが近づいてくる

隠さなきゃいけないのにそれすら
気力がなくできない
身体は愛液と精液でベトベトだ

「僕が洗ってあげる◇」

何も言わないあたしもヒソカは
浴室へと抱え服が濡れることも気にせずに
身体を優しく洗ってくれた



prev / next

[ back to top ]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -