H×H | ナノ


▼ 友だちの定義

走り去る車を見送り深呼吸をする
幸いネオンは近くにいて
トイレに入っていくのが見えた

ここはショッピングモールらしく
大勢の人で賑わっていた

従者たちはベンチにへたりこんでいる
長い時間連れ回されているのだろう

トイレに入るとネオンが鏡の前にいた
髪の毛を触り鏡の中の自分と睨めっこしている
まじかで見るネオン特殊な雰囲気をまとっている
遠目から見ても思っていたが美人だ

「こんにちは、トイレの前のベンチに
へたれこんでる人達はあなたの?」

「そう!邪魔だった?ごめんなんさい。」

「あ、違うの。
あたしもずっと過保護な保護者と
ずっと一緒にいたから貴方が大変だなーって。
今日なんて久しぶりに1人で外に出たの。」

「そうなの?!
パパが過保護でさ。困っちゃう。」

大袈裟に溜息をつくネオンは
年の割に少し子供っぽいところがおるようだ

「お互い大変ね。
そうだ。2人で少し抜け出さない?
範囲側の入口から出たらわからないと思う。」

「わー!いい考え!」

「あたしはアラタ。
貴方は?」

「ネオンよ。アラタよろしくね。」

ニコリと笑うネオンの手を引き
反対側の入口からこっそりと出ていく

それから2人で店を見て周り
喫茶店でお茶をする

お互いの話をしているうちに
素直で純粋の子だった
人体を集めるのが趣味という
変わったところもあるが

自分のことはあまり覚えていないので
嘘を混ぜるが疑う様子はなかった

「私、占いもしてるんだ。
アラタやったげようか?
名前と生年月日、血液型がわかればできるよ。」

「え、すごい。
ネオンて占い師なの?」

「うーん。占い師なのかな。
パパのお客さんのことはよく占うけど。
どうする?やる?」

少し考えて首を振る

「今日はいい。
占いよりネオンとお喋りしたいもの。」

そう言うとネオンはホッとした顔をした
その顔に首を傾げるとネオンはふわりと笑った

「アラタが占い目当てで
近づいてきたのかと思ってたの。
裏の世界では有名だから。」

「ふふ、違うよ。
同じような環境にいるネオンと
友達になりたかっただけ。」

どこからかピピピと電子音がする
それが自分のポケットからだとわかり驚いた
携帯をもらった覚えはない
ネオンに断りを入れ電話に出る

「はい。」

[俺だ。もう戻ってこい。]

「わかった。」

電話の主は案の定クロロだった

「もう、戻らなきゃ。」

「そうね。そろそろ戻らないと
パパが出てきそうだし。」

肩を竦め大きな溜息をつき
ネオンがメモ帳を取り出し
何か書くと渡してきた

「私のアドレス。
メールして。また遊ぼ!」

「ありがとう。
メールするね。」

一足先に会計を済ませ
店を出るとヒソカが立っていた

「お疲れ◇」

「ヒソカ、迎えに来なくてもいいのに。」

「今日はアラタと離れない約束だろ◇」

腕を広げられ近づくと抱き上げられた
色んな服装の人がいるとはいえ
ピエロのような化粧と服、
そしてあたしを抱きかかえる姿は目立つ
視線が痛い

そんなあたし達の横を
数人が走り喫茶店に駆け込んでいく

あれはネオンの従者たちだ
連絡を入れたのだろう

ホッとしヒソカを見る

「ヒソカ達は何してたの?」

「内緒◆」

「意地悪。帰ったら教えてね。」

ふふふと笑うとヒソカは
少し驚いたような表情をしていたが
すぐに元の顔に戻る

「どうしたの?」

「何でもないよ◆」

どこに向かっているかわからないが
きっとクロロとシャルナークのいるところだろう

◇◇◇◇◇

アラタが笑った顔は欲情を煽る
今まで見てきた顔は大体は嫌悪ばかりだった

天空闘技場で別れた後にも
記憶を消されたらしい
めんどくさい、と思ったが
警戒心が薄くなっていて
完全に忘れられていることはよかった

膨らむ下腹部を宥めるように
己にいいきかす

(まだ、だ◆
もう少し信頼させてからじゃないと・・・)

アラタの細い首筋に今にでも
舌を這わせたいが我慢することにした





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