H×H | ナノ


▼ 止められない衝動

今日は1人で留守番だった
皆、それぞれ仕事があるらしい

最近クロロが変わった
今までクロロが決めたものしか
与えられなかったのに
どちらがいい?と意見を聞いてくれるのだ

アジトの入口に座って
記憶のない時のことを
思い出そうとしてみるが何も出てこない
本当にそんな記憶があったのか、というほどに

「何してんの?」

急に聞こえてきた声に顔を上げると
あの夜以来、数日ぶりのイルミだった

「・・・留守番」

目の前にしゃがみこみ
こちらをじっと見てくるイルミ
イルミの大きな目を見ていると
吸い込まれてしまいそうだ

「俺のこと誰にも話してないんだね。
言いつけを守ってえらい。えらい。」

本当にそう思っているのかと思うくらいに
無表情で抑揚をつけずに淡々と話すイルミ
ぽんと頭に乗せられた手は嫌ではなかった

「何も思い出せないのに
イルミの手は嫌じゃない。
もっと触ってほしい。」

自然と口から零れてしまった言葉にハッとする
まだ2回しか会っていない男になんて事を
言ってしまったのか

目の前の男はすこしだけ口角をあげた気がした
でもそれは一瞬の事ですぐに無表情に戻る

「いいよ」

頭に乗っていたてが頬へと降りてきて
気がついた時には唇が重なる
触れてほしいと言っただけで
キスをしてほしいとは言っていない
なのに拒む気はなかった

拒んでいないことに気がついたのか
イルミは膝をつき頬を両手で持たれ上を向かされる

口の中に舌が入ってきて
その舌に応えるように
自らも絡めていく

角度を変え何度も深いキスをする

名残惜しく離れた時には
唇はジンジンとしていた
もしかしたら少し腫れているかもしれない

「イル、ミ」

力が入らなくなった体をイルミが支えてくれる
クロロと恋人同士なのに、これは浮気だ
頭ではわかっているのに止められない

「アラタ、もっとしてほしい?」

「・・・して」

やめたくない、イルミと触れ合うのを
キスだけで気持ちいいと思うなんて
自分はどうかしている

壁に追い詰められ先程よりも激しいキス
下腹部が湿り気を帯びているのがわかった
それを知られたくなくて固く足を閉じているのに
イルミの脚が閉じている膝をひろげはいってくる

キス以上の事をしてほしい

そんな考えが浮かびそれはダメだと
わずかに残った理性が否定する

貪るようなキスをしていると
ピピピと機械音が聞こえた
イルミが唇を離したことで
その音がイルミの持つ携帯の着信音だと気がついた

「なに?」

あたしを壁に押し付けたまま
電話に出る

その間に荒くなった呼吸を整えようとするが
イルミの脚がグリグリと蜜壷を刺激する
わざとなのかはわからないが
嬌声を口の中で押し殺す

「そ、わかった。」

電話を切るとイルミの身体が離れた

「仕事が入ったからもう帰るね。
またすぐに会いに来るから
俺のこと忘れちゃだめだから。」

こんなキスをして忘れるわけがない

「イルミの馬鹿。
・・・すぐ会いに来て。」

最後に軽く触れ合うキスをして
イルミは帰っていった

「シャワー、しなきゃ。」

濡れた下着を洗わなければ
怪しまれるかもしれない

また一つクロロへの秘密ができてしまった




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