H×H | ナノ


▼ 旅団との日常

目が覚めて数日が経った
集まってきた団員達に自己紹介をして
なんとか皆と喋れるようになった
その中でも楽しいのはフィンクスだ
強面の顔だが面倒見のいい兄といった所だろうか
邪険に扱うこともなく構ってくれる

「フィンー!」

勢いよく走って背中に飛び乗ってもビクともしない
ジャージの下には鍛え上げられた肉体があるのだろう

「アラタ、そんな格好で
うろちょろするんじゃねぇよ!」

そんな格好と言われて自分が
着ているものを確かめるが
Tシャツに短パンと至って普通だ

「ふふ、フィンクスは
アラタが好みなのよ。」

コーヒーを片手に微笑みながら
こちらを見ているパクの言葉に
ニヤニヤとしながらフィンにくっつく
パクも愛称で呼べるくらいすぐに打ち解けることが出来た

「そうなの?」

「ばっ、勝手なこと言ってんじゃねぇよ!!
ガキに興味ねーよ!」

「ひどーい!19だよ!」

「中身はガキだろうが!
さっさっと中身も成長しろ!」

「えー、いじわるー!」

背中に背負われたままフィンの顔を摘み遊んでいると
おはよ、と声が聞こえた
団員の中でも苦手な人はやはりいる

「アラタってそんな感じだったんだ。」

シャルナークさんだ
顔は美形なのに嘘くさい笑顔がどうも苦手だった

「アラタと出会った時は大人びてたけど。
案外子供っぽいんだ。」

「シャルナークさん、おはよう。」

ニコニコとしているのにやはりどこか怖い
フィンの背中に隠れながら様子を伺うようにみる

「今までみたいにシャルって
呼んでくれたらいいのに。」

「アラタはお前が苦手なんだとよ。」

「フィン!!!」

デリカシーのない発言に焦っていると
シャルナークさんが笑顔で手招きしている

「ふぅん。ほら、俺も遊んであげるからおいでよ?」

ブンブンと激しく首を横に振り
フィンの背中へと隠れた

「アラタったら。
実害があるのはフィンクスよ?
シャルナークの方が理性はあるのに。」

「へぇ。その話気になるな。」

「パク、お前・・・!!!」

楽しそうなパクと興味津々のシャルナークさんに
焦った様子のフィンに首をかしげた

「なになに?フィンと私何かあったの?」

「ふふ、内緒よ。」

「あー、くそ!
アラタ、飯の調達いくぞ!」

「あ、ちょっと、まってっ!!」

背中に背負われたまま
フィンは窓から飛び降りる

「きゃぁぁぁっ!!!」

◇◇◇

二人が出ていった方を見ながらため息をつく

「アラタってなんで俺のこと嫌いなんだろ。
多分、前から苦手意識はあったと思うけど。」

「女遊びがすごいのを
女の本能が見抜いてるじゃないかしら。」

「ちょっと、旅団の奴らからしたら
俺なんてマシな方だけど。」

ふぅん、と興味なさげにコーヒーを飲み
雑誌に目を向けている

「それにしても団長は何企んでるだか。
アラタの記憶無くしてさ。」

「さぁ・・・。やり直したいんじゃないかしら。
そこは私達には関係ないわ。
アラタを受け入れるだけよ。
最近はマチとも仲良くなってきたみたいだし。」

「ふーん。」

じゃぁ、俺も仲良くなろーと呟いた

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